
Yes, we can
この言葉を久しぶりに見たという方も多いのではないでしょうか。
かの有名な言葉を世に放った民主党オバマ元大統領は2017年に表舞台から姿を消しましたが、トランプ氏との選挙戦を経て、バイデン氏率いる民主党が再びアメリカを動かそうとしています。
ネット上では、「バイデンが勝ったら日本が終わる」という意見が散見されますが、これはトランプ氏の中国に対する強硬姿勢が崩れてしまうという不安に基づいているのではないでしょうか。
中国に肉薄されながらも、依然として世界をリードしているアメリカの政策は誰もが注目しています。
そこで、今回はバイデン氏がどのような政策をとろうとしているのか見ていきたいと思います。
当記事が、今後の世界情勢について考えるきっかけとなれば幸いです。
目次
バイデンってどんな人?

バイデン氏がどのような政策をとろうとしているのか見る前に、まずは彼の人となりについて確認します。
トランプ氏は当選前から「破天荒」という印象がありましたが、バイデン氏に関してはこれといったイメージが染みついていないかと思います。
親近感を持つことで、政策への理解も深まるのではないでしょうか。
一人の親として
1942年11月20日、バイデン氏はアメリカペンシルベニア州で産声を上げました。
政治家になる前は、弁護士をしていたようですが、29歳の時に上院議員として当選します。
妻や3人の子供も持ち、順風満帆な生活を送っていたことでしょう。
しかし、上院議員として当選した頃、家族が不慮の交通事故に遭ってしまい、妻と1人の娘を失います。
当時、バイデン氏の自宅から仕事場まで190kmあったらしいのですが、彼は毎日電車や車で通勤しました。
「息子たちがベッドで眠り、何事もなく朝を迎えられるか」自分の目で確かめるためだったそうな・・・
シングルファザーとして息子を育てた後に、高校教師のジル・ジェイコブさんと再婚を果たします。

アメリカという大国のトップに立つ方なので、それなりのバックグラウンドをお持ちになっているんだろうなぁとは思っていましたが、これは予想以上でしたね。
最愛の家族を失いながらも、政治家として活躍していたところを見ると相当心臓の強い方と言えるでしょう。
政治家として
上院議員時代のバイデン氏は、主に環境問題に取り組みました。
地球気候保護法成立は、彼無しでは有り得なかったと言っても過言ではないでしょう。
また、女性に対する暴力防止法成立にも尽力しました。
この法律は、当時問題になっていた家庭内暴力に対する抑止力になったそうです。
環境問題や女性の人権問題に対して取り組んでいることから、バイデン氏はリベラル寄りの思想を持っているようですね(民主党に所属しているので当然と言えば当然でしょうが)。
政治の話をする時、「リベラル」や「保守」といった言葉をよく耳にすると思います。
これらの言葉は相対的な概念を持つので、使われる文脈によって若干意味が変化します。
当記事では、大まかに「リベラル=新しい」・「保守=古い」という捉え方をしています。
例えば、リベラルな政策というと同性婚を認めるだったり、プラスチックの使用を制限したりといったものが当てはまります。
(比較的新しい人権・環境問題に対してチャレンジングな姿勢をとります。)
逆に、保守的な政策はあまり変化を好まないので、上記のような政策には否定的ということになります。
バイデンが構想するアメリカ

さて、バイデン氏がどういう人なのかなんとなく分かったところで、彼がこれからアメリカや世界をどのように動かしていこうとしているのか見ていきましょう。
対コロナ
新型コロナウイルスが蔓延する中、感染拡大を抑えるために国民に自粛を求めるのか、あるいは国民の経済活動を推進するのか意見が分かれるところです。
この点に関して、バイデン氏はコロナウイルスの危険性を鑑みて、経済活動の再開に対して慎重な姿勢を見せているようです。
その一方、トランプ氏はコロナウイルスの危険性を軽視しており、経済活動を第一優先としているようですね。
実際にトランプ氏自身がコロナウイルスに感染していますし、アメリカの感染者数が多いことに関しても、彼の政策に責任が無かったとは言えないでしょう。
バイデン氏もトランプ氏のコロナウイルスに対する姿勢は非難しています。
対中国
新型コロナウイルスの元凶であるとして批判を集めている中国ですが、驚異的な経済成長や軍拡、領域侵犯などから、周辺国からは「大きな脅威」という認識が強くなっています。
この国に正面から対抗できるのは、現状おそらくアメリカしかありません。
トランプ氏は中国の危険性を重く見ており、追加関税やファーウェイの締め出しなどにより少しでも優位な立場に立とうとしているのが伺えます。
一方、バイデン氏も中国の危険性は十分に理解しているようです。
ただ、トランプ氏のような「規制一点張り」な姿勢は良しとしていないようで、追加関税などに関しては否定的です。
また環境問題については、中国との協力も辞さないという姿勢を見せています。
アメリカ国民と他国民
最近では日本でも話題になっている移民問題ですが、多民族国家と呼ばれるアメリカでは、私達が想像する以上に重要な問題として扱われます。
バイデン氏は移民を受け入れることに関して寛容です。
母国に滞在できない理由がある方達の権利を重視してるのはもちろん、国民が増えることによる経済規模の拡大も狙っています。
一方で、トランプ氏は南方からの不法移民を排除するために「壁」を建設しました。
トランプ氏はあくまでも自国民を最優先としているようです。
地球の未来は
地球温暖化や大気汚染、生態系の崩壊など私達を取り巻く環境問題は日々深刻さを増しています。
世界一の経済大国アメリカがこの問題に対してどのような姿勢を見せるかは非常に重要です。
バイデン氏はリベラル派らしく、環境保護には積極的です。
温暖化対策への枠組みである「パリ協定」に留まることを表明しています。
また、単純に環境を保護するだけでなく、電気自動車産業に投資することで、新しい雇用も創出しようとしています。
一方トランプ氏は世界よりもアメリカに目を向けているので、経済重視です。
「パリ協定」から離脱することを表明した他、環境科学などに関する研究費を大幅に削減しました。
性多様性
LGBT問題が昨今取り上げられていますが、この問題について、日本ではまだまだ解決に向かう気配がありませんね。
アメリカでは今後この問題に対してどう向き合っていくのでしょうか。
リベラル派バイデン氏のこの問題に対する姿勢は積極的です。
バイデン氏は、トランスジェンダーの方々が軍に入隊するのを禁止したトランプ氏の措置を撤回しています。
逆に、トランプ氏はLGBTの権利拡大には消極的です。
キリスト教の性道徳に従う限り、LGBTの権利を拡大するわけにはいかないと主張しています。
政策まとめ
バイデン氏とトランプ氏の政策の違いについて見ましたが、両者は似通っていることもあれば、全く逆であったりもしてややこしいですよね。
そこで、以下で簡単にまとめましたので参考にして頂ければ幸いです。
コロナ | 中国 | 移民 | 環境 | ジェンダー | |
バイデン | 経済活動の再開は慎重に。 | 規制はかけつつも、時には協力が必要だ。 | 世界中の移民を助けなければならない。 | 世界一丸となって地球を救う。 | LGBTの人たちも幸せに暮らせる国にしよう。 |
トランプ | 経済活動を再開するべきだ。 | 協力は必要ない。圧力をかけ続けなければ。 | アメリカはアメリカ国民だけに集中すれば良い。 | 環境など他の国に任せておけば良い。経済の方が重要だ。 | LGBTの人たちに配慮はしない。キリストの教えを守らねば。 |
トランプが遺したもの

今までのところ、バイデン氏とトランプ氏の政策の方向性は基本的に逆であるということが読み取れます。
バイデン氏は「人権や環境」を重視し、トランプ氏は「米国の経済」を最優先しています。
今後バイデン氏の政策によって世界が良い方向に向かうのかどうかは分かりませんが、それを判断するための一材料として、保守派トランプ氏の今までの政策によって、アメリカがどう変わったのか見ていきましょう。
彼の破天荒な印象からか、対外政策においてトランプ氏はあまり良い成績を残していないと思われがちですが、そんなことはありません。
というのも、米国と仲が悪い中東地域に関して、米国はISISの掃討をほとんど完了しており、さらにシリアからも兵力を撤退させています。
また、これは日本にも大きな衝撃を与えたことですが、トランプ氏は北朝鮮の金正恩と会談し、見事核実験を停止させることに成功しました。
会談後において、それまでの北朝鮮の挑発的な軍事行動も抑制されています。

アメリカと中国は現在貿易戦争によって関係が悪化しているとされていますが、それも少し誤解を含んでいます。
ランドール・シュライバー氏はアメリカ政府内でも、最も中国に対して厳しい姿勢をとっていたとされる人物ですが、トランプ氏は彼を辞任させ、中国への対応において妥協点を見出しています。
こう見ると、トランプ氏の印象が少し変わりませんか?
バイデンの政策は世界を変えるか|リベラル派バイデンが構想する米国|まとめ

今回見てきた内容をまとめると以下のようになります。
- バイデン氏の強心臓はアメリカを変える力を持つ
- 政策は人道的な色が強い
- あまり印象の良くなかったトランプ氏もそれなりの実績を残していた
私達の中ではそこまで良い印象が無いトランプ氏ですが、実は裏で戦争が起きないように試行錯誤していたということが分かりました。
政治の世界においては、雰囲気や印象というのはあまりあてにならないということでしょうかね。
冒頭に「バイデンが勝ったら日本が終わる」ということに触れましたが、やや中道寄りのバイデン氏もトランプ氏の様に中国に対して毅然とした姿勢を見せてくれるかもしれません。
ただ、逆に言うとバイデン氏の政策によっては、私たちが想像している以上に、日本が悪い方向へ進んでしまうことも考えられます。
バイデン氏には是非期待したいところですね。
ところで、皆さんは私たちの未来が大きく変えるかもしれない第三次世界大戦が近づいているということを知っていますか。
バイデン氏が構想する未来に第三次世界大戦が存在するかは分かりませんが、以下の記事にて大戦がいつ起こるのか予測していますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
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