
「ハンコのせいでテレワークが進まない」
先日このような言葉をネット上で見かけました。
コロナ禍でテレワークが推進されている中、ハンコを押すためだけに出勤しなければいけないのは理不尽にもほどがある、と思います。
また、ハンコを廃止することで各企業の伝統的な業務フローや紙文化も見直されるのではないかと感じ、日本のハンコ文化について色々調べてみました。
というわけで、今回はハンコの意義に焦点を当てながら、ハンコを廃止した場合のメリット・デメリットについて解説します。
当記事が、ハンコを廃止すべきか否か迷っている方の一助となれば幸いです。
目次
そもそもハンコって何だ?

私達は身近な存在として、特に意識することなくハンコを使っています。
しかし、ハンコの必要性を吟味する上では、そもそも「ハンコとは何か」という視点を持たなければなりません。
そこで、以下ではハンコの意義について触れていきます。
印鑑は印鑑じゃない?!
まず、言葉の意味として、私達は「印鑑」と聞くと、

「木あるいはプラスチックでできた棒」を思い浮かべるかと思います。
しかし、この「棒」の正式名称は「印章」です。
そして、紙上に押されたマーク(自分の名前等)のことを「印影」と呼びます。
では、「印鑑」とは何を指す言葉なのでしょうか。
「印鑑」は「銀行や市役所に登録された印影」のことを言います。
印鑑というと、棒のことだと思っていたのでこれには驚きです。
ちなみに、ハンコは印章そのものを指します。
謎多きハンコ文化
世界でも本人確認手段として、ハンコを使っているのは日本と台湾だけらしく、国際取引の場面においては、その弊害はもろに出ます。
海外では本人確認手段として主に「署名(サイン)」が使われています。
例えば、アメリカでは小さい頃からサインを書く練習をさせられるそうです。
また、ハンコの発祥地は中国なのですが、その中国ですら本人確認手段として「署名」を採用しています。
ハンコの発祥地でも無ければ、ハンコの方が署名よりも合理的というわけでも無いのに、日本は「ハンコ」を使い続けているようですね。
今世紀最大のミステリー、「ハンコ」。
もしかして利権団体が必死にロビー活動でも行っているのでしょうか(名推理)
シンプルな見た目にしながらも、どこかミステリアスな一面を持つハンコですが、これが「電子署名」に取って代わられようとしているみたいです。
次の章では、前代未聞のミステリーを大解決してくれるであろう「電子署名」について見ていきます。
ハンコに終止符を打つ!電子署名って何?

ハンコ廃止後の本人確認手段を支えるツールとしては色々あるのですが、以下ではそれらについて見ていきたいと思います。
電子署名
先ほども書きましたが、ハンコ代替策の筆頭となるのは電子署名です。
電子文書を取り扱う上で注意しなければならないことは、その文書が本人によって作成されたのかということと、本人によって作成された後改ざんされていないかということだと言われています。
その点、電子署名には「電子証明書」というシステムが用意されており、これによって文書の本人性と非改ざん性が担保されています。
以下のサイトにて、電子署名の詳しい仕組みについて解説されているので気になる方はチェックしてみてくださいね。
電子印鑑と電子サイン
電子署名は重要な契約書などに使用される一方で、あらゆる場面で使用するとなると若干の手間がかかります。
そこで、電子署名の役割を補完するものとして電子印鑑と電子サインが挙げられます。
電子印鑑は、ハンコの印影を画像データとして使用することを指しますが、画像データは改変したり、コピーを取ることが出来ます。
そのため、電子印鑑は社内で完結する文書などに使用されます。
また、電子サインは電子署名よりも簡単な本人確認が求められる時に使われます。
例えば、予約していたホテルで本人確認をとる場合などが該当します。
アナログvsデジタル! ~メリットとデメリット~

「ハンコvs電子ツール」という構図を確認できたところで、本人確認手段としてのハンコを廃止した場合、どのようなメリット・デメリットが生じるのか解説したいと思います。
メリット ~ペーパーレス最強!~
電子署名や電子印鑑、電子サインがハンコの代わりとして使われるようになった場合、以下の様なメリットが生じると考えれらます。
- 費用削減
- 業務のスムーズ化
費用削減
様々な場面で書類が使われなくなると、必然的に紙の使用量が減ります。
紙代はもちろんのこと、書類を印刷するための費用やインク代など様々なコストを削減できます。
また、書類を郵送するコストなども大幅に抑えられるようになるでしょう。
電子署名を実用化するためのシステム導入に多少のコストはかかりますが、基本的には初期費用で済むので、時間が経つにつれて費用は回収できると思われます。
業務のスムーズ化
冒頭にもお伝えしましたが、電子署名を用いることで、「本人がその場にいないと捺印できない」というハンコが持つ最大のデメリットを克服できます。
テレワークの流れが押し寄せる今、このメリットの大きさは計り知れないでしょう。
また、電子署名が主流化することで多くの情報が電子上に保存されることになります。
これは、書類の場合と異なり、自分の求める情報がより簡単かつ迅速に見つけられるようになることを意味しています。
デメリット ~ハンコ最強!~
ハンコ廃止のメリットを見る限り、早々に電子ツールを本人確認手段として実用化させていくべきだと思うのですが、大人の事情が働いてか、そうもいかないようです。
以下では、脱ハンコに伴う弊害について見ていきます。
- 相手先が電子署名に対応しているとは限らない
当たり前の話ですが、人間という生き物は「安定」を求めます。
多くの学生が偏差値の高い大学を目指したり、上場企業に応募したりするのはその先にある安定が欲しいからです。
人間によって構成される「企業」においても同じことが当てはまります。
会社を経営していく上では出来るだけリスクを避けつつ、安定的な舵取りをしなければなりません。
そのため、伝統的な会社である程、「変化」を恐れる傾向があります。
「脱ハンコ」も企業にとってはおおきな変化です。
したがって、自社の本人確認手段をデジタル化したところで、取引先がそれに対応していなければ意味がないということになります。
【ハンコ廃止】メリット・デメリットは?ハンコはミステリーそのもの|まとめ

今回解説した内容を簡単にまとめると以下の様になります。
- ハンコ文化はミステリーそのもの
- ハンコ文化の謎を解くカギは電子署名
- 脱ハンコのメリットはとても大きい
メリットは大きいものの、色々な思惑が交わりなかなか実現しない脱ハンコですが、個人的には賛成です。
忘れ物や落とし物をしやすい自分からすると、あれだけ小さい物を持ち運ぶのは精神的に少し疲れます。
伝統的な企業様には、是非「安定」を抜け出し、「変化」を受け入れ、新しい姿に生まれ変わってほしいところですね。
今回、ハンコ文化はミステリーだとお伝えしましたが、世の中にはハンコ文化に負けずとも劣らないミステリアスなものが存在します。
宇宙人の存在はその最たる例といえるでしょう。
宇宙人は本当に実在するのか、以下の記事でまとめていますのでハンコ好きもといミステリー好きの方は是非チェックしてみてくださいね。
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