
現代のストレス社会で生き抜くためにはストレスを解消することが重要ですよね。
仕事でミスして落ち込んだ時には、暴飲暴食したり、カラオケで喉が潰れるまで歌いこんだり・・・
私はゲームなどをしてストレスを解消するのですが、時間がかかっちゃうんですよね。
そんな時、犬や猫なんかが毎日癒してくれたら楽なんだけどなぁって思ったりもします。
しかし、その可愛いペット達の殺処分数が多すぎると今問題視されているようです。
実態が見えにくい問題であるため、この問題についてどう考え、どう向き合えばいいのかいまいちわからないという方も多いと思います。
というわけで、今回はペットビジネスの問題点についての個人的な見解を述べていきます。
複雑な問題を整理して、自分なりの意見を持つ際の参考にしていただければ幸いです。
目次
ペットショップって何してる?

「ペットビジネスが問題だ」と言われても、誰のどういう行為がどんな理由で問題になっているのかしっかり分かっていない方も多いと思います。
なので、まずは現在のペットビジネスがどのようなものなのか整理しておきたいと思います。
どこからやってくる?
自動車ビジネスにおける始点はどこだと思いますか。
これは簡単ですね。ずばり「工場」です。
トヨタにしろ、ホンダにしろ、工場で車を製造しないことにはビジネスは始まりませんね。
では、ペットビジネスの始点はどこになるのでしょうか。
答えはブリーダーです。
ペットショップが繁殖・管理・販売をしていると思い込みがちですが、ペットショップは管理と販売を行っているにすぎません。
工場で生産された自動車はディーラーの下に運ばれ、そのディーラーから消費者が購入します。
ディーラーとはトヨタ系列でいうところのトヨペットやネッツなどです。
愛玩動物の場合、自動車とは少し異なります。
ブリーダーからペットショップに直接販売するのではなく、大半の場合、ペットオークションにてブリーダーが動物を競りにかけ、ペットショップ側がより低い価格で競り落とします。
ブリーダー⇒ペットオークション⇒ペットショップ⇒消費者
ペットビジネスにおいて、ブリーダーとショップが直接取引をしていない理由は品質維持が難しいからだと思います。
愛玩動物は生き物なので、一体一体品質が異なります。
そのため、自動車のような「決まった品質のものを決まった期日までに、決まった数納品する」という売買契約を結びにくいです。
したがって、求める品質をより安定的に確保するためにオークションが利用されていると言えます。
最終処分場へ
ここまでは、愛玩動物がどのような経路で「消費者の下に届くのか」ということを見てきました。
次は、愛玩動物がどのような経路で「殺処分されるのか」について見ていきます。
愛玩動物が処分される場所は大きく分けて2つあります。
- 保健所
- 引き取り屋
です。
ペットオークションで売れ残った動物は処分する必要があるので、ブリーダーはその動物を保健所に引き取ってもらいます。
また、消費者に買ってもらえなかった動物も処分する必要があるので、ショップはその動物を保健所に引き取ってもらいます。
飼い主が何らかの理由でペットを飼育できなくなった場合も処分する必要があるので、保健所に引き取ってもらいます。
しかし、保健所には人員や収容面積などに限界があるので、時には動物の受け取りを拒否します。
ここで、登場するのが「引き取り屋」です。
引き取り屋は民間の保健所のようなもので、保健所で保護されなかった動物たちを引き取り、処分してくれます。
ブリーダー ショップ 飼い主 |
⇒ | 保管所・引き取り屋 |
ペットショップの何がまずい?

今までの流れを見て、何が問題なのかなんとなく分かったかもしれませんが、以下ではペットビジネスが内包する問題点について見てきます。
生き物=お金
やや表面的な話をすると、「命を売買する」生体販売はそもそも倫理的に良くないということが言えます。
ただ、生体販売を完全に悪と言い切るのは少し難しいです。
生体販売とは、分かりやすく言い換えると「生き物を使ってお金を稼ぐこと」になります。
生体販売と聞くと、「可哀そう」と思うかもしれませんが、動物園や水族館で生きている動物たちは、基本的に従業員によって大切に飼育されていますし、苦しい思いをすることはそうないと思います。
また、生体販売とは少し異なりますが、倫理的な話になると「動物実験」がよくやり玉にあがりますよね。
これについても、同じようなことが言えます。
被験体は最終的に死んでしまうかもしれませんが、それは私達人類が安全に使える薬を開発するためであり、いつか実験を経て実用化された薬があなたの命を救うかもしれません。
こう考えると「生き物でお金を稼ぐ=自分のために生き物を利用する=悪」とは言いにくくなるような気がしませんか。
問題なのはそのやり方
ペットビジネスがしばしば批判の対象となっている原因は、動物の管理・処分方法にあると思われます。
管理方法に関して言うと、悪質な業者の下では、動物たちは自分の体とほぼ同じ体積しかないケージに何時間も入れられることになります。
また、掃除などはされないのでゴミや自分の糞などはそのままといった最悪な環境で死ぬまで繁殖させられ続けます。
たまに飼い主がペットを虐待している動画が出回り炎上していることがありますが、悪質なブリーダーや引き取り屋に保管されている動物にとっては日常茶飯事かもしれません。
処分方法に関して言うと、まず動物たちは狭い部屋に閉じ込められます。
そして、その部屋に二酸化炭素を放出することで犬や猫を窒息死させます。
二酸化炭素には麻酔作用や鎮痛作用があるようですが、呼吸が出来なくなってから死に至るまでの苦しみは計り知れないものだと思われます。
そして、窒息死させるのにもお金はかかります。
「ペットビジネス」として成立させるためにはできるだけコストを抑える必要があり、窒息死すらさせる余裕がない引き取り屋やブリーダーは人気のない山地などに大量廃棄することになります。
「生き物でお金を稼ぐ=悪ではない」と言いましたが、そのやり方があまりにも酷いと倫理的に見逃せなくなってきますよね。
数字で見るペットビジネスの闇
動物の殺処分・飼育方法にペットビジネスの問題点が存在すると分かったところで、一年間にどのくらいの動物たちが殺処分されているのか見ていきたいと思います。
【保健所における犬・猫の引き取り・処分状況】
年 | 引き取り数 | 処分数 | |
返還・譲渡数 | 殺処分数 | ||
2015年度 | 151,095 | 50,217 | 101,338 |
2016年度 | 136,724 | 52,674 | 82,902 |
2017年度 | 113,729 | 57,386 | 55,998 |
2018年度 | 100,648 | 56,922 | 43,216 |
2019年度 | 91,939 | 53,666 | 38,444 |
出典:https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html
2015年度に保健所に引き取られた頭数は約15万頭、殺処分された頭数は約10万頭なので、殺処分された割合は約66%です。
一方2019年度の引き取り数は約9万、殺処分数は約3万8000なので、割合としては約42%になっています。
こう見ると、国としてもペットショップが抱える問題に対して取り組もうとしていることが伺い知れますね。
ただ、ここに記載したデータは保健所内での引き取り数・殺処分を表しているに過ぎず、実際にペットビジネスによって命を失った動物たちは数値以上に存在していると言えます。
また、現在ペットとして飼育されている頭数は約1000万頭であり、犬・猫一匹の平均寿命が約14年であることを考えると、一年間にペットショップで販売されている動物の頭数は約70万頭と推測できます(1000万÷14≒70万)。
変えられない殺処分の現実

ここまで、ペットビジネスの現状、問題点と見てきましたが、ここからは「なぜこのような現実がまかり通っているのか」という点について掘り下げていこうかと思います。
生き物が商品に変わる時 ー消費者の責任ー
愛玩動物の始まりはブリーダーであると伝えましたが、そもそも「普通の」動物が商品である愛玩動物に変わる時はいつでしょうか。
それは消費者が一定の需要を発生させた時です。
私達が日々の癒しとして、犬や猫などの動物を自宅に迎え入れたいと思った時、それがペットビジネスの根源です。
ブリーダーやショップの方々もその仕事をやりたくてやっているわけではないと思います。
「需要があるからやっている」
ただその一点に尽きるのではないでしょうか。
生きていくにはお金は必要ですし、いつでもやりたい仕事が出来るというわけではないですからね。
経済性と倫理性の間で ー生産者の責任ー
やりたくない仕事もしなければならない時があるとは言いましたが、例えば、「殺し屋」には絶対になりたくなし、社会的にもその存在は悪とされていますよね。
いくらお金が稼げるといっても、私達の倫理観に反することをしていたら、私達はそれを悪とみなします。
ペットビジネスについても同じことが当てはまります。
ペットビジネスがいくら稼げるからと言っても、私達の倫理観に反するような方法で動物の繁殖・管理・販売を行うことは、私達からすれば悪となります。
ただ、扱う商材が生き物なので、飼養や収容において様々なコスト(餌代、人員、面積等)がかかります。
そのため、売れない動物をいつまでも手元に置いておくのは経営上好ましいとは言えず、殺処分という選択肢をとる業者が多いのも現実です。
つまり、生産者はビジネスマンである以上自ら今の現状を変えるということはしません。
(現状を変えられないと言った方が正しいかもしれません。)
世の中には、非倫理的なことをすれば、カネを稼げる機会はいくらでも転がっている。原発によるコスト削減はまさにこの手の話だったと思う。でもしちゃいけないでしょ、人間として。倫理性は経済性以前の問題。
— Eiji Sakai (@elm200) April 3, 2011
では、どうすれば良いのかということになりますが、この問題に対しては外部から力を加える必要があります。
外部からの力というと、例えば政府が作っている法律がそれに該当します。
環境先進国と呼ばれているヨーロッパなどと比べて、法整備の分野で遅れている日本ですが、現在環境省で動物愛護に関する規制強化が検討されているそうです。
私達にできることは少ないかもしれませんが、これからの政府の動きに期待したいところですね。
【殺処分】ペットショップは問題だらけ?命とお金どっちの方が大切?|まとめ

今回見てきた内容をまとめると以下の様になります。
- 動物の流通経路はブリーダー⇒オークション⇒ショップ⇒消費者
- ペットビジネスは、そのやり方に問題がある
- 消費者にも生産者にも責任はある
私自身ペットを飼ったことがないので、ペットと過ごすとどのくらい日常生活が楽しくなるのかは分かりませんが、一度飼うと決めたら、最後まで責任をもって大切に育てたいです。
ショップで一匹の犬を選ぶということは、選ばなかった犬を殺しているということもできますからね。
また、保健所などではブリーダーや飼い主に捨てられて保護された犬や猫などが大量に管理されています。
なので、一つでも多くの命を救いたいという方は保護犬・保護猫を引き取ることをおすすめします。
また、ペットを大切に育てたいという方にとっては、犬や猫の健康が一番気になりますよね。
ペットが感染しやすいとして、新型ブニヤウイルスがなにかと話題になっているようです。
場合によってはペットから人にも感染するそうで注意が必要です。
新型ブニヤウイルスについてまとめた記事がありますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
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