引用元:映画.com https://eiga.com/news/20191220/13/
『TENET テネット』は、 主人公(名も無き男)が「時間の逆行」をしながら第3次世界大戦による人類の滅亡を阻止しようとする姿を描いている映画です。
観た人の感想として多いのが、「分からなかった。でも面白かった。」です。
この映画はわざと観客を混乱させ、頭で考えさせるのではなく感じさせることで、理屈ではなく直感や体の感覚を通して、常識では到底受け入れることはできない価値観を受け入れやすくなるように作られていると思います。
今回は、映画をすでにご覧になった方に向けて、この映画が特に伝えたかったことについてピンポイントで解説させていただきます。解説とあらすじはかなり省略させていただきました。映画の理解のサポートを、少しでもさせていただけたらと思います。
目次
映画『テネット』が伝えたかったこととは?

引用元:映画.com https://eiga.com/news/20200814/12/
ピンポイント解説をさせていただきます。
この映画は、未来に原因があり、過去に結果があるという時間の捉え方を描いていますね。
人のものの見方に例えて考えてみますと、自分の理想の未来を先に思い描くのが大事だということなのかなと思いました。大まかに言うとこれが映画の伝えたかったことなのかなと思います。
更に、過去を後悔しながら生きると行き詰まるので、過去を見直して捉え方を改善し、放置していた問題を解決することが大事だと伝えたいのかなと思いました。
そうすれば、自然と現在に目が行き、すでに決まっている未来の自分に到達する道が開けるということを伝えたがっているのでは!?
映画『テネット』は具体的には何を伝えたがっているの?

引用元:映画.com https://eiga.com/news/20200728/17/
更に細かくピンポイント解説をさせていただきますと「自分の未来は自分の深いところですでに知っている」、「自分の人生は全てが自作自演だ」ということがこの映画の伝えたかったことだと思います。その新しい考えを受け入れるためには思考を取っ払い、今までの常識から外れてまず感じてみよう、というメッセージが込められているのでは!?
「未来は決まっているけれど、ある程度は変えることもできる」ということも伝えたかったことだと思います。
観客の方々は新しい考えを深いところでは受け入れたいと思っているので、映画を観て混乱しつつも理解しようとしているのでは!?
主人公の役割は?

引用元:映画.com https://eiga.com/movie/92400/
主人公の役割は「1.自分の未来は深いところですでに知っているということ、2.自分の人生は全てが自作自演だということ、3.未来はある程度変えられること」を観客に気づかせることだと思います。
映画の各シーンからこのように解釈させていただきました。
ニールの役割は?

引用元:Stereo Sound ONLINE https://online.stereosound.co.jp/_ct/17398302
ニールは主人公の未来に導いてくれる案内人としての役割を果たしていますね。
スタルクス12での未来人の代理のセイター達との戦いに勝った後のニールの言葉「自分は未来の主人公に雇われた」でそう思いました。それに数年後から来ているので、起こることをすでに知っていて主人公を導いていました。
未来人との戦いの後逆行して死亡しますね。つまり、「主人公を助ける」というやるべきことをやった後いなくなりました。
補足ですが、過去に囚われセイターに支配され続けるキャットの存在は、主人公が前を向いて生きようとしているのとは逆の立場で、反面教師的に描かれているなと思います。
未来を知るのに案内人は必要?
引用元:FILMAGA https://filmaga.filmarks.com/articles/66339/
ニールは、『未来の主人公が「TENET」でニールに指令を出した』、と主人公が知るところまで導きましたね。
ですが私達に当てはめますと、日常のあらゆるところに未来のヒントはあり、それをガイドに未来を推測し前進できるのなら、案内人は必要ないのでは!?ということになる気がします。
未来のヒントは「ふと目にしたもの、本の中の言葉、雑誌などの占い、言われた言葉、直感、体の感覚などで深く印象に残るもの」です。
映画では案内役の人物がいないと主人公も観客も混乱するので、物語では分かりやすい案内人のニールを設定していたと思います。
タイトル「TENET」に隠されているメッセージは?

引用元:ROBOT PLAZA https://robotplaza.jp/tenet/
「TENET」は『(個人または集団の)「主義」「信条」「教義」』などの意味がありますが、前から読んでも後ろから読んでも同じ読みとなる回文になっています。上の画像の「TENET」の文字は真ん中の「N」より右ふたつが逆さまになっていますね。
これは時間の順行と逆行などを指していると思いますが、「TENET」の文字の「N」より右側を未来だとすると、未来に対する「主義」などをひっくり返してみたらどうなるか、というメッセージもあると考えることができるのではないでしょうか!?
つまり、未来は先に決まっているということを伝えているのだと考えることもできるのでは!?




『テネット』のあらすじ

引用元:映画.com https://eiga.com/news/20200827/16/
【あらすじ】
アメリカ中央情報局の特殊部隊員の主人公は冒頭、ウクライナでの突入作戦で撃たれそうになりましたが、独特なストラップを付けたバックパックを持った男に助けられます。しかし敵に捕らえられ、ある人物から「TENET」という言葉を聞き“世界を救う”という任務を命じられます。
時間を逆行する装置と「逆行弾」のことを知り、ニールという終始主人公をサポートすることになる男と出会います。逆行弾の情報源はセイターだと分かり妻のキャットを介して近づこうとします。
彼女は画商でしたが、セイターに負い目を感じ身動きができずにいました。主人公は彼女にゴヤのニセの絵をを始末すると約束し、空港へ行きますが、男ともみ合いになり、失敗に終わりました。
あらすじ【2】

引用元:CINEMORE https://cinemore.jp/jp/erudition/1530/article_1646_p1.html
【あらすじの続き:セイターとアルゴリズム】
- アルゴリズムを作動させることでセイタ―は地球の時間の動きを逆にしたかった
- アルゴリズムを開発したのは未来人だったが危険なので9つに分解し過去に封印した
- セイターは9つの部品のうち8つを持っていた
- 時間を逆行してラスト1つを主人公達と奪い合いの末入手する(キャットに逆行弾で重傷を負わせた)
- セイターはアルゴリズムが作動するのは自分が死ぬ時と決めていた
- 彼は‘14日に戻り’アルゴリズムをスタルスク12で作動させるつもりだった(そのことを聞いた主人公達は、アルゴリズム奪還をめざす)
あらすじ【3】

引用元:CINEMA TRONIX https://cinema-tronix.com/tenet-title-logo-why-be-changed/
【あらすじの続き】
キャットは‘14日に戻り’セイターの自殺を阻止しようと見張ります。予定ではスタルスク12での戦いに勝利し、アルゴリズムを分解した後に連絡が入り次第セイターを殺すと決めていましたが、その前に殺してしまいます。
スタルスク12で、TENETの順行・逆行チームからなる軍とセイター達の軍との戦いが行われ、主人公とアイヴスは順行チームから離れアルゴリズムを奪い返そうとしますが間一髪のところでバックパックにストラップを付けた逆行中の男に助けられました。
その男は主人公をかばい、奪い返せるように内側から扉を開けましたが、敵に撃たれ重傷を負いました。
あらすじ【4】

引用元:THE RIVER https://theriver.jp/tenet-guide/
【あらすじの続き】
主人公らは9つの部品からなるアルゴリズムを取り戻し、爆発寸前に、逆行していたはずのニールが彼らを地下から救い出しました。
主人公はニールから「未来のあなたに命令された」と告げられました。ニールがストラップが付いたバックパックを持っていたことに気づきました。主人公をドアの所でかばったのはニールだということが分かりました。
ニールは自分の死を納得していました。
主人公はプリヤがキャットを殺そうとしたので、プリヤを殺してしまいます。未来の自分の指令を無視したことで、主人公は運命を変えました。




アルゴリズムとは?

引用元:映画.com https://eiga.com/movie/92400/
「アルゴリズムとは時間の流れを逆行させる装置」とされています。独自の解釈ですが、これは人生においての人のものの捉え方の傾向に例えることができると思います。
「アルゴリズム」を、自分の未来に対する悲観的なものの見方、周囲の人間の自分の未来に対する悲観的なものの見方、世間の未来に対する悲観的なものの捉え方などに例えて考えることができると思いました。
未来人はアルゴリズムの欠点(過去の人類だけでなく自分達も滅亡する)に気づき、アルゴリズムを封印しますが、自分達だけは助かるかもしれないと思い、アルゴリズムを起動しようとします。
未来人を現代人に当てはめると?

引用元:映画.com https://eiga.com/movie/92400/
主人公は、未来から過去に逃げ込みたい未来人の代理のセイター達とアルゴリズムをめぐり戦います。
未来人は「現代において未来に対する悲観的なものの捉え方をする自分や周囲の人間や世間(の人)」に当てはめることができるのではないかと思いました。つまり、人が未来を悲観して生きようとすることに例えられるのではないでしょうか!?
かなり独自の解釈をしましたが、間違っているかもしれませんので、ご了承願います。
「アルゴリズム(未来に対する悲観的な考え)」のような考えが無くなると?

引用元:Stereo Sound ONLINE https://online.stereosound.co.jp/_ct/17398
主人公はアルゴリズムをめぐりセイターが率いる軍と戦い、勝利します。人のものの捉え方に例えますと、自分の未来に対する周囲の悲観的な考え方を払しょくしたと考えることができると思いました。
その後主人公はニールの言葉で未来の自分の姿を知ります。アルゴリズムが起動するのを阻止する主人公の行動は、私達に当てはめますと、過去に置き去りにした問題の解決をし、未来に対する悲観的な考えをやめることなのでは!?
解決することで現在に生きることができ、未来の理想の自分を垣間見ることがあるのでは!?つまり、今に意識を集中すればすでに決まっている未来を引き寄せることができるのではないでしょうか!?




【テネット】映画をピンポイント解説~映画が伝えたかったこととは?|まとめ

引用元:映画.com https://eiga.com/movie/92400/
映画『 テネット』が伝えたかったことをピンポイント解説し、独自に解釈したことも加えて説明させていただき、あらすじを追っていきましたが分かりにくかったでしょうか!?
「自分の未来は自分の深いところですでに知っている」、「自分の人生は全てが自作自演だ」ということがこの映画の伝えたかったことだと思います。
未来に対する悲観的な考え方を「アルゴリズム」に当てはめてみました。
この映画の監督は時間を扱う作品を他にも作られていますが、一度監督の頭の中を覗いてみたい気分です。
☆映画『テネット』についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ!
【関連記事】
2・・終盤のニールの言葉「自分は未来の主人公に雇われた」
3・・プリヤを殺して未来の自分が与えた指令に反した場面で、「未来は自分が決めているけれど自分で変えることができる」ということを伝えたいのではないのかなと解釈