




ところで、レジ袋有料化の経緯をご存じですか?

経緯なんて、学術会議が「レジ袋有料化万歳!」って言ったからに決まってんでしょ。

また、仮にそうだったとしても、彼らは国家政策に直接影響を与える立場にあるわけではないです。

だったら学術会議が原因じゃないってことにならない?

そのあたりについては少し複雑なので、これから見ていきましょうか。
今回はレジ袋有料化と学術会議について詳しく説明してみたいと思います。
目次
日本学術会議とは

その中身についてはあまり知られていない日本学術会議そのものについてまずは見ていきましょう。
学術会議に関するあらゆることを規律している、「日本学術会議法」という法律があるので、これを参照していきます。
目的
第二条
日本学術会議は、わが国の科学者の内外に対する代表機関として、科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させることを目的とする。
出典:日本学術会議法
この条文は日本学術会議が存在する目的について定めています。
法律や経済、理学、工学などの専門的な知見を日本国内だけでなく、海外に向けても発信している組織だと言えそうですね。
学術会議は専門的な知識を扱うため、そのメンバーには優秀な教授や研究者が選ばれるそうです。
機能
第四条 政府は、左の事項について、日本学術会議に諮問することができる。
(略)
三 特に専門科学者の検討を要する重要施策
四 その他日本学術会議に諮問することを適当と認める事項第五条 日本学術会議は、左の事項について、政府に勧告することができる。
一 科学の振興及び技術の発達に関する方策
(略)
出典:日本学術会議法
日本学術会議は上記の目的を達成するために、具体的にどのような活動を行うことが認められているのでしょうか。
法第四条を見る限り、政府は日本学術会議に対して諮問することができるようです。
「諮問」とは、質問のようなものです。
政府にとって分からないことがある場合、「〇〇てどういうことですか?アドバイス下さい」と学術会議に頼ることを言います。
次に、法第五条によると、学術会議は政策に関して、政府に対して勧告をすることができます。
「勧告」とは、助言のようなものです。
「諮問」と違う点は、政府から何か聞かれなくとも、学術会議が一方的に政府に対して、「〇〇したらどうですか?」と働きかける点です。

で、政府はそれに逆らえなくて渋々有料化しちゃったんだね。

あくまで助言です。
なので、政府にとっては「あなた達の意見は参考にしますね」程度の効力しか持ちません。

てことは、学術会議のせいじゃん!

ただ、今回の「レジ袋有料化」に関しては、学術会議はほとんど干渉していないんですよね。

じゃあなんで、「学術会議のせい」なんて言われてるの?

レジ袋有料化の真犯人

この章は、有料化の経緯に焦点を当てながら、真犯人を探る章になります。
誤解
今回の騒動の発端は、学術会議元会長の大西隆さんが東京新聞に投稿したとされる記事の見出しにあるようです。
多くの人がこの見出しを目にし、人々に伝えている間に、「学術会議がレジ袋有料化を提言した」という認識に変わってしまったようです。
実際、学術会議は2015年の国際会議にて、「海洋プラスチック問題」に関する提唱を行っています。
しかし、そこでは「レジ袋有料化」の様な対策ではなく、「プラスチックが海洋生物に与える深刻性」に焦点を当てています。
つまり、学術会議は「海洋プラスチック問題について考えるきっかけ」を提供したに過ぎないという側面が強いです。
経緯
学術会議はあくまで問題提起をしたに過ぎないということが分かったところで、次は、どのような経緯で「レジ袋有料化」が実施されたのか見ていきましょう。
2018年6月 政府が「循環型社会形成推進基本計画」を決定する
2018年8月 6月の基本計画に基づき、「中央環境審議会循環型社会部会プラスチック資源循環戦略小委員会」において、「レジ袋有料化」やその他の対策の是非について議論される
2019年5月 戦略小委員会の答申に基づき、政府が「プラスチック資源循環戦略」を定める
2019年9月 環境省が「レジ袋有料化検討小委員会」を設置
2019年末 レジ袋有料化が決定

基本計画って何なの?

8月に設置された「小委員会」というのは学者や研究者など専門家の集まりのことを言います。
「環境を保護するため」には具体的にどういう政策が必要なのか、小委員会が徹底的に議論します。


小委員会で「政策Aは良いけど、政策Bはダメだ」という具合に意見をまとめます。
そして、まとまった意見を政府(環境省や内閣府)に返すのが「答申」になります。
この答申を受けた政府は、「環境を保護するため」にさらに具体的な作戦を練ります。
これが、2019年5月の「プラスチック資源循環戦略」に当たるということです。


経緯を見る限り、有料化の真犯人っていったら環境省とか内閣府とか小委員会になりそうなのに、なんで学術会議が犯人扱いされてるんだろうね。

学術会議の実態



学術会議の提言が問題視されたものとして、「復興増税」や「アイヌ利権」があります。
学術会議の実態について順番に見てきましょう。
復興増税
2011年、東日本大震災によって多くの国民の生活が破壊された時、政府は被災地を復興するための財源が必要になりました。
その財源をどのようにして集めるか議論になったわけですが、その中の一つの手段として、日本銀行に肩代わりしてもらうというものがありました。
その傍らで、日本学術会議は「復興増税」を実施することで、国民から財源を集めるという手段を提言します。
そして、当時の政権民主党は「復興増税」を採用しました。
震災で国民が疲弊している中、復興目的とはいえ「増税」という選択肢を選んだことで、学術会議は批判を浴びます。
日本学術会議経済学委員会は「東日本大震災への第三次緊急提言」を発し、これによって復興財源のために復興増税:学問の自由を侵害する日本学術会議 | ビジネスジャーナル
隠された真実です。日弁連法曹界と同じく巣食う様子が分か https://t.co/s82q6T6Cg4
— 政権がやや左なのでやや右にいる日本人 (@tanfuchan) October 22, 2020
アイヌ利権
北海道の一部の地域に先住していた人々のことを「アイヌ民族」と呼びます。
そして、過去の「日本国民のアイヌ民族に対する差別への償い」という名目で「アイヌ関連事業」というものが国家主導で展開されています。
しかし、「アイヌ民族に対する差別」という部分に関しては虚実が混在しており、「アイヌ民族への償いが必要」という政府見解に対しては、多くの研究者から疑問の声が寄せられているようです。
そして、1年間に60億円もの税金がつぎ込まれている「アイヌ関連事業」も、学術会議の提言がきっかけとされています。
そのため、学術会議が「アイヌ民族」というお金の成る木を利用して、国民から税金を搾取しているとして批判されているようです。
https://twitter.com/takarin___7/status/1318741077222780928?s=20
学術会議のせい?!レジ袋有料化の真犯人を探る|学術会議の実態とは|まとめ

レジ袋有料化の真犯人を探るという形で、色々見てきましたが今回の内容をまとめると以下のようになります。
- 学術会議は政府からの質問に答えたり、政府に対して助言したりしている
- レジ袋有料化の真犯人は学術会議というよりも、政府(環境省、内閣府)
- 学術会議は過去に愚策ともいえる政策を提言し、実現させている
レジ袋有料化に関しては学術会議は関与していなかったようですが、元会長が「学術会議のおかげだ」という記事を投稿したことと、過去の失態による国民の不満が相まって犯人に仕立て上げられたといえそうですね。
自分の功績をアピールしたい気持ちは分かりますが、その功績が本当の意味で功績と言えるのか、今一度見直さなけならないなと感じましたね。
レジ袋有料化の犯人の一人として環境省が判明したわけですが、環境省のトップである小泉進次郎氏の結婚事情について以下の記事にてまとめていますので、気になる方はチェックしてみてください。