




今回は闇スロットの違法性やなぜ人々が闇スロットに手を出してしまうのかについて見ていきます。
通常のパチンコ営業

本題に入る前に、通常のパチンコ店の概要を抑えておくと闇スロットについて理解しやすくなるので、まずは普通のパチンコ店について今一度おさらいしておきましょう。
通常のパチンコ店の一般的な営業形態としては、
①客がパチンコ玉をお店から購入し、パチンコ台で遊びながら玉の数を増やす
②増やしたパチンコ玉とお店の特殊景品を交換する
③お店から貰った特殊景品を景品交換所に持っていき、景品を現金と交換する。
という具合になります。
特殊景品とは、カードのようなもので、中に金が入っています。

当然のことではありますが、通常のパチンコ営業は合法です。
パチンコ営業は「風営法」という法律によって認められています。
第2条 この法律において「風俗営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。
(略)
4号 まあじゃん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊戯をさせる営業
引用元:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律


風営法2条4号によってパチンコ営業という存在が認められているようですね。
ここでは、「パチンコ屋に対する規制は風営法によって行われている」くらいの認識で大丈夫ですよ。
次の章で見てみましょう。
闇スロットの違法性

闇スロットが風営法のどのような規約に違反しているのか、それによってどのような不都合が起こるのか見ていきましょう。
法律上の問題
冒頭で、闇スロットとは「法律的にアウトなスロット台」と言いましたが、もう少し具体的にいうと闇スロットとは「風営法に基づく許可を受けていない店舗」を指します。
第3条 風俗営業を営もうとする者は、風俗営業の種別(前条第一項各号に規定する風俗営業の種別をいう。以下同じ。)に応じて、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)の許可を受けなければならない。
引用元:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
とされています。
そのため、例えば愛知県でパチンコ営業をしたいと思ったら、愛知県公安委員会の許可が必要になります。
また、パチンコ店自体の許可とは別にそのパチンコ店で稼働するパチンコ・スロット台に関しても許可が必要になります。
ここは少しややこしいので、イメージ画像を見てみましょう。


パチンコ・スロット台に関する許可も本来は公安委員会が行うものとされています。
しかし、公安委員会の人数は限られていますし、「パチンコ機器の審査」となると専門的な知識も必要になります。
そのため、公安委員会は「外部委託」という形で、パチンコ・スロット台の許可に関する作業を保通協に一任しています。
これは、例えば自分でスマホケースを作った時に、販売手段としてamazonなどのECサイトを利用するという構図に似ています。
そして、こういったパチンコ店自体の許可とパチンコ・スロット台に関する許可を受けていないパチンコ店のことを「闇スロット」と呼びます。


許可を受けていないパチンコ店は警察に隠れて色々できてしまいますからねぇ。
詳しくは次の節で見ていきましょう。
現実的に生じる問題
営業許可を受けているパチンコ店については、開業日時や経営者の名前、住所、建物の情報などが公安委員会の下に保管されます。
そのため、行政(警察)としてはそのパチンコ店が何か悪い事をした時に比較的簡単に取り締まることが可能です。
また、悪い事をしないように事前に注意をすることなども可能です。
しかし、営業許可を受けていないパチンコ店だとそうもいきません。
仮にそのパチンコ店が悪い事をしていたとしても、行政側にその店に関する情報が一切ないため、取り締まることができないということになります。

確かに悪い事をしてもおとがめ無しってのはよくないかもね。
でも、「悪い事」って実際そんなに起きるものなの?

例えば、スロット台を改造して遠隔操作やイカサマをしたりといったことが考えられますね。
最初の一回目は客が大勝できるようにして、何度も通わせるうちにどんどん設定を厳しくしていき、最終的に客から何百万円も搾り取るといったことも可能です。

でも、そんな危険な店に入らなければいいんでしょ?
なんでそんなリスキーな店に皆行っちゃうの?

ただ、「昔のパチスロ台で打ちたい」という人が大多数のような気がしますね。


なぜ昔のパチスロ台を打ちたがるのか、この答えについては次の章で見ていきましょう。
違法台:4号機

昔のスロット台といいましたが、闇スロットで最も人気のある台は4号機とされています。
現在合法的にパチンコ営業をしているお店で稼働しているパチスロ台は5号機か6号機です。
4号機を稼働することは禁止されており、もしこれを稼働させた場合、営業停止となります。
では、なぜわざわざ4号機を稼働させているのでしょうか。
答えは4号機の特徴にあります。
複雑なことは省いて簡単にまとめましたが、この性質が闇スロットが存在する答えです。
ハイリスク・ハイリターンであるため、4号機が稼働していた当時は、「今日10万負けたけど、明日10万勝てばいいかー」といった会話が日常茶飯事だったとか。
そのため、プロとしてパチンコで食べていく人や逆に大負けして破産するような人が今では考えられないくらい居ました。
結局、4号機の異常なギャンブル性が問題視され、4号機の製造が中止になったわけですが、熱狂的な人気があったことも事実です。
そのため、4号機が廃止された今でも「闇スロット」という形で密かに稼働しているというわけです。
闇スロットは違法?なぜ消えない?|答えはパチスロ台の中にあり!|まとめ

今回は複雑な内容だったため、簡単にまとめると以下のようになります。
- 「闇スロット」とは公安委員会から許可を受けていないパチンコ店のことをいう
- 「闇スロット」では現在稼働させてはならないとされている「4号機」が稼働している
- 「4号機」はハイリスク・ハイリターンのため、人を沼に陥れる危険性が高い
「パチンコ」が様々な社会的な問題を生んでいる現状ですが、まさか真っ黒な「闇スロット」というものも存在していたとは驚きですよね。
私自身一度だけ5号機でパチスロを打ったことがありますが、幸いにもハマることはありませんでした。
しかし、もしその時、熱狂的な人気を誇った4号機で打って大勝ちしていたら、どうなっていたかは分かりません。
パチンコを健全に楽しめるような環境を国の方々に是非作っていただきたいと思うばかりですね。
法治国家である日本で暮らしていると「違法」という言葉にはどうしても敏感になりますよね。
諸外国ではその使用が認められている大麻が日本では違法とされている理由についてまとめた記事がありますので、興味のある方は是非ご覧ください。