【新型ブニヤウイルス】犯人はマダニ?!|特徴から有効な対策を探る

 

新型コロナウイルスに続き、新型ブニヤウイルスという言葉を最近耳にしますよね。

まだコロナが終わってないのに、もう新しいのが出てきたのか・・・

と憂鬱な気分になってしまう方も多いのではないでしょうか。自粛制限が解除されて「GoToトラベル」なども実施されている中、新しい脅威に対する不安を抱えたまま休息をとるのはなかなか難しいですからね。

ただ、ブニヤウイルスへの知識が曖昧なために、無用な恐怖を抱いてしまっている側面もあると思います。そこで今回は、ウイルスを私達にもたらす犯人であるマダニの特徴とウイルスへの対策を理解することで不必要な不安を払拭していきましょう。



新型ブニヤウイルスとは

まずは、新型ブニヤウイルスとはどういったものなのかについて見ていきましょう。

概要

新型ブニヤウイルスは「重症熱性血小板減少症候群」という感染症を引き起こします。

重症?血小板?症候群?

という感じですが、簡単に言えば体内の血小板が減少するようです。それによって人体に様々な症状が出ます。

感染経路としては、ウイルスを持つマダニに噛まれることが一番多いようです。こちらの記事で新型ブニヤウイルスの感染経路について詳しく説明しているので興味のある方は是非覗いてみてくださいね。

治療に関しては対症療法(※)しかなく、有効な治療薬やワクチンは今のところありません。まあ、有効な治療薬があったらここまで話題になってないですよね・・・

※対症療法:根本的な解決ではなく、とりあえず患者の症状に対応して処置をする治療法。

症状

新型ブニヤウイルスの大枠が分かったところで、次は症状についてもう少し詳しく見ていきましょう。

ブニヤウイルスに感染すると、6日間~14日間の潜伏期間を経て以下のような症状が現れます。

  • 発熱
  • 消化器症状(食欲低下、嘔吐、下痢、腹痛)
  • 神経症状(頭痛、筋肉痛、意識障害)
  • 出血症状(リンパ節腫脹(※)、皮下出血、下血)

ウイルスに感染して頭痛や下痢なんかに見舞われたら最悪ですよね・・・。

※リンパ節腫脹:リンパ節が腫れること。

致死率

おそらく皆さんが気になるのは致死率ではないでしょうか。どんなに感染率の高い病気でも致死率が低ければ怖くないですし、逆に感染率が低くても致死率が高い病気には絶対かかりたくないですよね。

6.3~30%

これが新型ブニヤウイルスの致死率とされています。幅が広いので低いのか高いのかよく分からないですよね。致死率への理解を深めるためにもう少し具体的に見ていきましょう。以下に「新型ブニヤウイルスによる死亡者数の年次推移」を用意しました。

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
感染者数 40 61 60 60 90 77 102 19
死亡 14 16 11 8 8 4 5 0
生存 26 45 49 52 82 73 97 19
致死率 35% 26% 18% 13% 9% 5% 5%

最も致死率が低いのは2018・2019年の5%となっています。対して、最も致死率が高いのは2013年の35%となっています。こう見ると致死率が6%~30%とされているのにも納得がいきますね。ただ、

なんでこんなに差が開いてるの?

と思ってしまいますよね。その理由としては2013年(初めて感染源が特定された)時点では新型ブニヤウイルスに感染している人の数を正確に捉えられていなかったことが挙げられます。

本来ならば、総計が40よりも多いはずなのに、そうなっていないため実際の致死率よりも高く算出されていると言えそうです。

じゃあ結局致死率は5%ってことか!

と考えたくなりますよね。しかし、残念ながらそうとも言えないようです。というのも、実際の死亡数は表の数字よりも多くなる可能性があるからです。2019年のデータを例に見てみましょう。

2019年の死亡者数は5人で、生存者数は97人となっています。この生存者数97人が202X年に死亡した場合、その死亡数は202X年にカウントされます。つまり、2019年の死亡数にカウントされるべき数字がカウントさないため、実際の致死率よりも低い値が出ていると考えらます。

そうすると、実際の致死率がどのくらいか判断するのは非常に難しいです。ただ「30%よりはだいぶ低いけど、5%よりかはある程度高い」という前提に立つならば、10%前後という数値が実際の値に近いのではないかと考えられます。

で、10%って高いの?

と思いますよね。日本における新型コロナウイルスとインフルエンザによる致死率はそれぞれ3%前後と0.001%とされています。なのでこれらと比べるとやや高いと言えそうですね。

致死率が高いと分かった以上絶対にかかりたくはないですよね。なので、新型ブニヤウイルスに関しては、マダニ対策が非常に重要になってきます。以下で見ていきましょう。

ウイルスを媒介するマダニの特徴

以下では、どのようなマダニが新型ブニヤウイルスをもたらすのか見ていきます。

早く対策教えてよ!

と思うかもしれませんが、落ち着いてください。「対策の前に原因」です。

以前、私はあまりの腹痛で入院したことがありました。担当医には「食生活の乱れ」が原因だと言われたため、それ以来食事に気を配るようになりました。しかし、一切その腹痛は治まりませんでした。

それもそのはず、本当の原因は運動不足による「便秘」が原因だったからです。このように、問題について対策を考える場合、その原因について深く理解していなければなりません。

ウイルスを媒介する犯人であるマダニは2種類存在すると言われています。特徴についてそれぞれ見ていきましょう。

タカサゴキララマダニ

出典:Wikipedia

タカサゴキララマダニはマダニ科キララマダニ属に属するダニの一種です。主に関東よりも南の地域に生息しています。活動時期は4月~11月です。こうみると、マダニの特徴としては基本的に暖かい時期と場所で活発化することがあげられますね。

北海道や東北地方に住んでいる人はこのマダニに噛まれることはないので一安心ですね。

タカサゴキララマダニは幼虫の時期に、集団で葉に待機するという性質を持っています。若虫→成虫と成長するにつれて、爬虫類・鳥類→ヒト・馬とより大型の宿主に寄生していきます。

フタトゲチマダニ

出典:Wikipedia

フタトゲチマダニはマダニ科チマダニ属に属するマダニの一種です。活動時期についてはタカサゴキララマダニと同じで4月~11月です。このマダニも暖かい時期が好きなようですね。ただ、タカサゴキララマダニとは異なる特徴として、生息地は北海道から沖縄までと広く分布しています。

どうやら新型ブニヤウイルスから自己防衛するためには、日本脱出が一番有効なのかもしれませんね。現実的ではないですが・・・

フタトゲチマダニもタカサゴキララマダニと同じように宿主(ウシ、ヒト、鳥類)が近くを通るのを草の上で待ちます

マダニは宿主の血を吸うのですが、蚊などの吸血昆虫とはその方法が異なるようです。吸血昆虫は針を刺すのに対し、マダニはハサミの様な口を使って皮膚を切り裂きます

そして、フタトゲチマダニの唾液にはセメントの様な物質が含まれており、これが宿主の皮膚とマダニの体の連結を強固にしています



マダニ対策

お待たせしました。ここからはマダニの特徴を元にして、感染症にかからない対策について見ていきたいと思います。ウイルスやマダニがどのようなものかイメージできていると思うので、対策はすんなり頭に入ってくるはずです。

予防策

まずは、マダニに噛まれないようにする方法について見ていきましょう。簡単にいうと、草むらに入らない。ただそれだけです。先ほど「マダニは宿主が近くを通るのを草の上で待つ」と説明しましたが、マダニと接触する機会を完全に断つことで連中に噛まれることを防げます。ただ、どうしても草むらに近づいたり、入らなければならない方もいるかと思います。

そういった場合は、

  • 長袖長ズボン着用により、肌と葉が直接触れるのを防ぐ
  • 虫よけスプレーにより、マダニに噛まれるのを防ぐ
  • 帰宅後、すぐに着替え入浴する

などの対策により、マダニに噛まれることを防ぐことは可能です。

噛まれてしまった場合の対処法

次に、もしマダニに噛まれてしまった時の対処法について見ていきたいと思います。考えたくはないですが、マダニに噛まれた場合、無理にマダニを引き抜かないことが重要になります。

先ほど説明したように、マダニは吸血時に、セメントの様な物質を出して人体との結合を強固にします。これによって、無理にマダニを引き剥がした場合、

  • マダニの体内に存在する消化管内容の逆流
  • 体内にマダニの頭部が取り残される

といったことが起きます。これらのことは、ダニ媒介感染症(新型ブニヤウイルス含む)の感染リスクを上昇させます。そのため、もしマダニに噛まれた場合は無理に引き抜かず、医療機関を受診しましょう

【新型ブニヤウイルス】犯人はマダニ?!|特徴から有効な対策を探る|まとめ

今回は、新型ブニヤウイルスを媒介するマダニの特徴を元に、有効と考えられる対策について見ていきました。コロナウイルスと比べると致死率はやや高めですが、近年急激に感染者数が増えているだとか、致死率が急激に上昇しているわけではありません

「新型〇〇ウイルス」という言葉に私達が敏感になってしまっているために、新型ブニヤウイルスが過剰に危険視されているような気もします。また、コロナウイルスへの警戒感も薄れてきているため「新しい脅威」を認識する心の余裕が私たちの中にできていることも新型ブニヤウイルスがここまで取り上げられている原因なのではないかと感じずにはいられません。

いずれにせよ、新型ブニヤウイルスには明確な対策があるので、それを徹底することで安全に休暇を過ごすことができます。Gotoトラベルを利用して寒い地域に行けば、マダニに出会わずに旅行ができて一石二鳥かもしれませんね。

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