
昆虫食と聞いて、昆虫なんか食べても大丈夫なの?病気になったりしない?なんて、考えたことはありませんか?
イナゴの佃煮や蜂の子、こおろぎせんべいなど、様々な場面で昆虫が食用として使われています。
一番身近なのは、カイガラムシだったりします。
コチニール色素っていうのがありますが、それに使われているのがカイガラムシなのです。
ある試算によると今の段階でも500g程度の昆虫が食用に使われているのだとか…。
しかし、昆虫にも食べてはいけない種類がいるのです!
それをうっかり食べてしまうと身体を壊すばかりか、下手すれば死に至るケースも…。
そして、昆虫もまた、他の動物食と同じく食べ方にも注意が必要です。
刺身にして大丈夫な虫なんてあまり聞いたことがないですが、開拓が進んでいない今の段階では仕方ない、といったところでしょう。
今回は昆虫食において病気の危険性がある昆虫や食べ方について紹介します。
目次
昆虫食における病気の危険性1・変なコガネムシは食べないで!

昆虫だからと言って、何でも食べていいわけではありません。
カニでもスベスベマンジュウガニやウモレオウギガニなどが食べられない種類となっています。
例えば、ツチハンミョウ類などはその最たる例と言えます。

見た目からして、イナゴなどに比べても食べられそうには見えませんが、このツチハンミョウ、体内や分泌物にカンタリジンという毒が含まれているのです!
ちなみに、先ほど紹介したカニ連中もカンタリジンではありませんが強い毒を持っているので食べられないといったところです。
このカンタリジンがどれほどの毒かというと…。
迂闊に触れると水ぶくれのなるくらいです。触れただけでこれなので、それを摂取するなんてとんでもない!
しかもカンタリジンの致死量はわずか30ミリグラムなので、それをふんだんに含んでいるツチハンミョウなんか食べたらあの世いきになりかねません。
当然、毒薬指定を受けるレベルの毒物で、実際に暗殺のための毒薬として東西関係なく使われていたくらいです。
こんなものを体内で生成してるような昆虫を食べたら非常に危険です。
それでもツチハンミョウの仲間が薬の材料に使われていた時代があり、イボ取りの薬や利尿剤として微量が使われていた記録が残っています。
一方で、当然のように暗殺用の毒薬としても使われていたとの記録があり、その毒性の強さから今では薬としては処方されなくなっているようです。
少量であれば薬として使うことができるが、食用にするには危険すぎるのでツチハンミョウを見つけても絶対に食べようだなんて考えないようにしましょう。
もちろん、ツチハンミョウを民間療法に使うのも危険なので、医学の知識がない方は薬として使うのもやめましょう。
生兵法は怪我の元とはよく言います。
昆虫食における病気の危険性2・そこら辺のゴキブリやハエは何をしても食べられない

実はゴキブリも食べられるということを聞いたことはありますか?
世の中にはゴキブリ料理というキテレツなものが存在します。
あのゴキブリを料理する度胸は凄まじいですが、家に現れるようなゴキブリではないようです。
そして、ハエの幼虫も種類によっては食用にされる場合もあるとのこと。
あんなものよく食う気になるなあ、なんて考えてしまいます。
しかし、それらは全て森林に生息する物だったりあまり雑菌を持っていないものばかりで、そこら辺のゴキブリやハエは基本的に食べられないと考えた方がいいです。
金蝿みたいに変な光沢があるようなのはどう見ても食べられるようには見えませんが、他の家に出るような虫も食べられないと言っても過言ではありません。
ただでさえ不衛生な環境に住んでいるので食中毒の危険性がつきまとう上、個体によっては殺虫剤などの毒物の生物濃縮が進んでいることもあるのです!
ここまで来たら、もはや何があってもおかしくなくて危なくて食用にできない、というレベルですね…。
もう、体内でカンタリジンという毒物を作るツチハンミョウとどっこいどっこいかも…。
溜め込んでいる毒物に当たったらシャレにならないので、この手の害虫は基本的にはやめた方が賢明です。
ゴキブリを見かけたらお湯をかけて退治して外に捨ててしまいましょう。
ハエはもちろん殺虫剤かハエ叩きで。
昆虫食における病気の危険性3・昆虫は品質劣化しやすい

一部の蝶や蛾の幼虫は生で食べることができますが、注意すべきことがあります。
それは、ヒスタミン中毒になる危険性があるということです。
ヒスタミンとは何ぞや?
魚介類に発生しやすい食中毒の原因になる物質です。
昆虫たちの身体がエビやカニと同じ構造をしているため、死ぬとエビやカニと同じく体内が急速に分解がされていきます。
その分解の際に発生するのがヒスタミンなどです。
ヒスタミンは熱でも分解されませんので、昆虫の保存には気をつけてください。
夏場は特に気をつけて食べるようにしましょう。
間違っても、死んだり死にかけのセミなんて拾って調理して食べても腹を壊すだけなので、絶対にやめましょう。
鮮度が確実に落ちてます。味もまず期待できないでしょう。
そして、より気をつけなくてはならないのが寄生虫。
特に芋虫類はハエやハチが寄生している場合があるのです。
生で食うと下手すれば食中毒になりかねませんし、寄生バチに遭遇したことがないし食べたこともないので味まではわかりませんがあまり食べたいとは思えません。
寄生バエや寄生バチが人間に寄生したりはしませんが、カマキリなどであればハリガネムシという寄生虫がおり、そいつに寄生されてしまう危険性があります。
まだ昆虫を刺身にするには早すぎるのかもしれないと思って諦めた方がいいかもしれませんね。
それと、ハリガネムシの件から、カマキリは食べない方が賢明です。
あと、昆虫ではありませんがカタツムリも絶対にやめましょう。
カタツムリには住血吸虫という致死性の寄生虫がいます。
住血吸虫に寄生されて8年間の闘病生活の末に亡くなってしまった方がいました。
昆虫食における病気の危険性4・昆虫でアレルギー!?まだわからないことだらけだが…


アレルギーになる人が頻出していますが、昆虫食にもアレルギーはあるのでしょうか?
まだあまり解明されてはいないようですが、エビやカニと同じくアレルギーになる可能性も指摘されています。
少なくとも、蛾の鱗粉のアレルギーはあるので、まだわからないことが多いといえども、やはり昆虫食によるアレルギーは存在すると考えられます。
やっぱり、節足動物とアレルギーは切っても切り離せないのでしょうか?
とりあえず、まだわからないことが多い以上、現段階ではエビやカニのアレルギーがある方は食さない方が無難です。
昆虫食における病気の危険性5・食べ過ぎは生活習慣病の元

突然ですが、イナゴの佃煮の100g当たりのカロリーってご存知ですか?
日本食品標準成分表によると、なんと246kcalにも達するようです。
食品名 | カロリー(100gあたり) |
イナゴの佃煮 | 246 |
蜂の子 | 250 |
伊勢エビ(刺身) | 92 |
ズワイガニ | 69 |
キハダマグロ | 106.1 |
さけ | 132.9 |
スルメイカ(水煮) | 103 |
鶏モモ肉 | 116 |
豚バラ肉(脂身つき) | 368 |
豚バラ肉(脂身なし) | 77 |
牛肉肩ロース | 173 |
これは高い。
グミやチョコレートに比べればだいぶヘルシーですが、それでもカロリーは高いです。
昆虫は肉や魚に比べてもカロリーが高いのです!
しかも栄養効率もいい。
そりゃあ、人類の食糧危機に対応できるなんて言われるわな…。
となると、たとえ昆虫でも食べ過ぎると肥満の原因になります。
ペットのインコやハムスターにミルワームを与えすぎないように言われるのもそのためです。
人間が食べてもカロリーが高いなら、彼らのような小動物にとってよりカロリーが高くなるのは当たり前です。
昆虫食における病気の危険性おまけ・もしかして痛風になるかも?

エビやカニが痛風の原因になると聞いたことはありませんか?
もしかしたら、昆虫食を毎日続けると痛風になってしまうかもしれないのです!
まあ、痛風自体は肥満から起こる場合が多いですが、昆虫にも相当のプリン体が含まれていると考えられます。
というか、カロリーが高いので肥満から痛風が発生するかも。
痛風になると相当大変です。以前勤めていた職場では、膝が痛すぎて動けず仕事に来れなかったという同僚がいました。
痛風というのは、それだけ恐ろしい症状なのです!
そんなわけで、足腰が痛くて痛くて立っていられないという方には昆虫食はおすすめできそうにありません。
もちろん、ビールのおつまみにするには昆虫は危険すぎるといえます。
あのカロリーの高さですもんね…。酒のつまみにしていたらすぐにでも痛風になりそう。
どうしてもいう方は、プリン体の少ないビールを選びましょう。
もちろん、飲み過ぎには気を付けて。
昆虫食における病気の危険性のまとめ

昆虫食における病気の危険性を調べてみましたが、このようにまとまりました。
- ツチハンミョウ類は致死性の毒があるので食べられない
- そこら辺のゴキブリやハエは生物濃縮が進んでいるので食べない方が安全
-
古くなった昆虫は食中毒の危険性がある
- もしかしたら昆虫にもアレルギーがあるかもしれない
- 昆虫はカロリーが高いし恐らくプリン体も多いので食べ過ぎないようにする
いずれにしても、野草やキノコを採って食べたりするのとあまり変わらないリスクであることがよくわかります。
正しい知識を持って、昆虫食を楽しみましょう!
コメントを残す