そんな野望を抱く方も多いのではないでしょうか。
しかし農業はそんなに甘くはありません。
失敗してしまうと今より悲惨な生活が待ち構えているのです。
脱サラして農業を始める場合は行動に移る前にしっかりとした事前準備が必要不可欠です。
これから農業を始めようとする人たちに失敗しない方法をお伝えしていきます。
目次
脱サラして農業をする人って多いの?

農林水産省の調べでは、令和2年度の農業への新規参入者は3,580人でした。

- 新規自営農業就農者・・・家族の農家を継ぐことになった人
- 新規雇用就農者・・・法人雇用で農業に従事することになった人
- 新規参入者・・・家族経営の継承や雇用就農ではなく、自分で土地・資金を調達して就農する人
参考元:農林水産省
脱サラして農業を始める人は「新規参入者」に該当します。
これから農業をしていく人たちのなかでも「新規参入者」は、はるかに少ないのが現状です。
脱サラして農業に失敗する3つの理由
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畑違いの業種から農業を始めるのが大変だって証かな・・・。 でもやるからには失敗したくはないよね。
失敗しないためには、なぜ失敗してしまうのかを考えることが大事です。
失敗する理由① 資金がない
資金が底を突き経営が続けられなくなるケースが多いです。
農作物や土地の広さにもよりますが、農業を始めるために必要な自己資金額は平均およそ500万円~600万円といわれています。
また農業を始めてから数年は収入を得られないことがほとんどなので当分の生活費の蓄えも必要です。
失敗する理由② 知識がない
農業に関する知識が少ないと、作物が育たないもしくは育っても売り物にならず農業を断念してしまいます。
農業は作物や肥料だけではなく天候にも大きく左右されるので幅広い知識が必要です。
失敗する理由③ 甘くみている
想像以上に過酷な農作業についていけずに諦めてしまう人もいます。
農業は朝早く休日も少ないことが多いです。
また屋外やビニールハウス内での作業がほとんどで、炎天下や雪の日でも休むことができません。
農業は重労働なのです。
「田舎でゆっくり~」という考えから農業を選んでしまうと「こんなはずじゃなかったのに」と言うことになりかねません。
脱サラして農業をするための6つの事前準備
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具体的にはどんな準備をしたらいいかな?
準備① ビジョンをたてる
なんのビジョンもなく、とりあえず大量生産で売上げを大きくしようと広い土地や大量の農機具を購入してしまうと最終的には採算がとれなくなり失敗してしまう可能性も。
まずは自分がどのような環境で農業をしていくかを想定しましょう。
- 何を育てるのか
- どの土地で育てるのか
- どんな農法で作るのか
- 土地の広さはどのくらい必要か
- どのくらい収益があがるか
- 初期費用はどのくらいかかる
- 種まきから収穫までの期間はどのくらいか
個人で農業を営む場合は労働者であり経営者でもあります。
しっかり計画をたてましょう。
準備② 資金を蓄える
収入がない月が続いても、資金の蓄えがあれば心に余裕をもって農作業に時間を費やすことができます。
最初に農機具をあらかたそろえて形から入ることで、より意気込んで農業に取り組める人もいるでしょう。
一般的に農業の収入はそれほど高くありません。
いろいろな情報を見る限り年収300万円くらいが平均のようです。
会社員は毎月安定して給与が支払われますが、農業の収入は月によってまちまちです。
スローライフを夢見るならば資金の蓄えは必要不可欠といえましょう。
農業を始める前に節約・投資をして資金を貯めましょう。
新規就農者は収入が安定しないので、ローンやクレジットカードの審査が通りにくいことも。 ローンやクレジットカードは脱サラをする前に見直しておきましょう。
準備③ 知識を蓄える
作物に適した土質を知っていれば質の良い作物が収穫できるでしょう。
また農地の災害特性を知っていれば、いつ起こるかわからない自然災害への対策ができ作物の被害を最小限にすることもできるかもしれません。
農業を始める場合は知識と情報の収集が要です。
各自治体が主催する説明会や体験会に参加したり、記事後半で研修制度などを紹介していますので活用してみてください。
準備④ 販売経路を確保する
せっかく質の良い作物を収穫しても、販売できなければ徒労に終わります。
脱サラした人には「会社員時代の人間関係が煩わしかった」「あまり人と関わらずにもくもくとただ農作業をしたい」という方も多いと思います。
そういう人は販売は卸業者に任せたりインターネットなどの販売を活用してはどうでしょうか。
栄養や無農薬にこだわって少量生産したいというこだわりタイプの方は、個人に直接売ることで新鮮な作物を提供できるし、消費者の声を生で聞けるというメリットもあります。
市場・直売所・イベント(マルシェ)・インターネットなど様々な販売経路を事前に確保しておきましょう。
複数展開しておくことで売れ残りというリスクも減らせます。
準備⑤ 人とのつながりを築く
農地と決めた場所に移住するという人がほとんどだと思います。
地域の方と仲良くなっているとアドバイスをもらえることも。
ご近所の農家さんからもらう野菜やお米のお裾分けはものすごく助かります。
地域の方々との関係性をつくることは農業を成功させるためには大事なことです。
「田舎で悠々自適に農作業を」と想像するかもしれませんが田舎出身の私から助言させてもらうとすれば田舎はしばりだらけです。
なにかとあれば集まりがありそのたびに手伝いに出向いたり、しきたりも多いです。
それが悪いというわけではありません。
地方は住民が互いに面倒をみるところなのだと認識しておきましょう。
準備⑥ 家族の了承をとる
家族の同意が得られないまま、脱サラして一家で田舎に引っ越すのは困難です。
夢に描いた悠々自適な生活とはほど遠くなってしまいます。
自分が育てた野菜を奥さんやこどもたちが「おいしい」と言って食べてくれる。
そんな素敵な家族団らんの時間を設けるためには家族の了承が必要です。
家族の誰かが反対していたら不安要素を取り除いてあげるよう努力してみてください。
農業や田舎の魅力・自分の本気度合いを根気よく伝えていきましょう。
移住後の生活をリアルにイメージできるよう一度移住予定地に実際に連れて行くのも手です。
いざ!脱サラにむけて最初の一歩を踏み出す

さぁ、いよいよ行動にうつすときがやってきた。
まずは最初の一歩、農業を学びましょう。
- 農業大学に入学する
- 農家、農業法人でアルバイトをする
- JA研修制度を利用する
- シェア畑や家庭菜園で独学の農業体験
農業大学で学ぶ
農業大学校は全国42道府県に設置されています。
農林水産省では全国の農業大学校を紹介しています。
農業大学校で学ぶとなると仕事を辞めなければ通えない人がほとんどだと思います。
まずは仕事をしながら農業を平行して勉強していきたいと言う人には不向きです。
農家・農業法人で仕事をする
秀でた農家になるためには、農業で成功している人に直接教わるのが一番の近道でしょう。
まずは自分で農業をはじめる前に実際に現場でアルバイトをしてみてはどうでしょうか。
農家・農業法人の求人情報サイトです。
今お住まいの近所の農家さんへ直接連絡してみるというのもひとつの手かもしれません。
勇気を持って行動にうつしましょう。
いきなり仕事としてやっていくのは無理だと言う方には、農業インターンシップというものもあります。
現役で会社員をしている人には嬉しい「週末だけ通えるコース」もありますよ。
JAの研修制度
JAでも農業の新たな担い手を育成する活動に力を入れています。
各JAの研修制度の有無をこちらから確認して応募してみてください。
シェア畑や家庭菜園で独学で勉強する
まずは自分で試行錯誤しながら農業を勉強していきたいというバイタリティ溢れる人はシェア畑やご自宅で菜園するという方法もあります。
シェア畑は施設によりますが、農具の貸し出しやプロのアドバイザーに助言をもらえるというサービスもあります。
※現在は関東・関西地域のみで展開しているようです。
家庭菜園から農業を学びたい人は、農家さんが公開しているYouTubeなどを参考にされてみてはいかがでしょうか?
補足 農業を始めるための役立つ情報

最後に農業をはじめるために役立つ情報をご紹介します。
ぜひ以下を有効に活用してこれからの農業生活に役立ててください。
農業を始めるひとのための補助
いまから農業を始める人には国から補助金が出る可能性があります。
補助は研修を支援するものと、実際に農業を始めてから交付されるものと2種類あります。
研修期間や年齢制限があるので条件をよく読んで申請してください。
農業の情報収集サイト
農業に関するさまざまな情報が得られるサイトをご紹介します。

引用元:マイナビ農業

引用元:農業をはじめる.JP
最新の情報をキャッチしておきましょう。
脱サラして農業がしたい!失敗しないためにやるべき6つの事前準備とは|まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は会社員から農家と全く違う業種へチャレンジする人に向けての情報を発信しました。
- 農業をはじめる人のなかでも少数派な脱サラ族
- 農家への道:まずは失敗から学ぶ
- 農家への道:事前準備を怠るな!
- 農家への道:行動に移そう
厳しい道ではありますが脱サラして農業をはじめて成功している人ももちろんいます。
あなたの挑戦を応援しています。
田舎暮らしについての特集はこちらをご覧ください。
毎日の通勤・ノルマ・クレーム。家族とゆっくり過ごす時間もない。
ああもう嫌だ。
農家に転職して田舎でゆっくり野菜でも育てて生きていきたいなー。