
カブトムシって森林の中にいるイメージないですか?
ここ最近「自宅にカブトムシが集まる木がある」というSNSが話題をよんでいます。
【民家庭にカブトムシ集合の謎】https://t.co/7jg5A9338p
群馬県吉岡町の数軒の民家で、庭先にカブトムシが大量に発生し、近所で話題に。カブトムシが群がる樹木は、シマトネリコ。2年ほど前から成虫が確認されていたが、今夏はすでに計60匹以上という。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) August 18, 2020
庭にある『シマトネリコ』という木に大量のカブトムシが集まっているというのです。
自宅の庭にカブトムシが集まる木があるとなれば子どもは大興奮ですよね。
そこで今回はシマトネリコの生態とカブトムシが集まる理由を探ってみました。

目次
カブトムシが集まる木「シマトネリコ」

そもそもシマトネリコとはいったいどのような木なのでしょうか。
カブトムシが大好きなシマトネリコについて調べてみました。
シマトネリコは中国・台湾・フィリピンなど暖かな地域で生息しているモクセイ科の常緑樹です。
日本では沖縄で自生していますが、温暖化の影響で本州でもシマトネリコをみる機会が増えてきました。
育てやすさや洋風の樹姿のおかげで住宅街でも庭木として人気で、外来植物ながらいまやシンボルツリーとしての地位を確立しています。

カブトムシがなぜシマトネリコに集まるのか

カブトムシが集まる木として有名なクヌギやコナラは、甘酸っぱいにおいの樹液をだします。
シマトネリコという木にカブトムシが集まるのも樹液が関係しているのでしょうか?
実はシマトネリコにカブトムシが大量に集まる理由は正式に解明されていません。
今回は今浮上している有力な説をご紹介していきます。

シマトネリコには害虫が少ない
シマトネリコは害虫の少ない木として知られています。
そのため餌を取り合う競争相手のいないシマトネリコがカブトムシの集まる木になったのはないかというのです。
しかし調べてみるとシマトネリコに害虫が発生したという声もたくさんありました。
害虫の発生が比較的少ないことは確かのようですが、害虫の有無は植栽場所によって大きくかわってくるようです。
https://twitter.com/mophneko/status/348714346190364673?s=20
シマトネリコはカブトムシを誘う樹液を出す
これはシマトネリコの樹液が誘引する何らかの物質を出しているという説です。
カブトムシの主な餌は樹液で、特に甘酸っぱい味を好むそうです。
シマトネリコに集まるカブトムシも樹液が目当てのようですが、シマトネリコは樹液が甘い品種ではありません。
ではなぜシマトネリコの樹液を欲するのか、それは味ではなくシマトネリコの樹液にカブトムシを誘引する物質が含まれているのではないかという説です。
シマトネリコの樹皮が柔らかい
シマトネリコの樹皮は柔らかいためカブトムシは自身で樹皮を削り、樹液を飲むことができます。
普段カブトムシが自ら樹皮を削り樹液を摂取することはありません。
カブトムシが好きなクヌギやコナラの樹液は樹皮が硬くカブトムシの力だけでは樹液を飲むことはできないのです。
自分で樹皮を削って樹液にありつける。その手軽さがカブトムシを引きつけているのかもしれません。
カブトムシは一日中シマトネリコに夢中

シマトネリコに集まるカブトムシは昼夜問わず同じ木にとどまり続けるそうです。
夜行性だとされてきたカブトムシが昼間も活動を続けることを発見したのは、当時小学6年生の柴田亮さんです。
カブトムシの常識、埼玉の小6が覆す 世界的雑誌に論文https://t.co/DM4OoH4TvZ
小学6年の柴田亮さんが素朴な疑問から始めたカブトムシの観察が、夜行性とされてきたカブトムシの活動リズムの常識を覆す発見につながりました。 pic.twitter.com/cy018Feecg
— 朝日新聞デジタル (@asahicom) May 23, 2021
なぜ昼夜問わず樹液を吸い続けるのか
本来カブトムシというのは夜行性ということが知られています。
カブトムシがシマトネリコに出会ったことで活動リズムまでもが変化しているのです。
この理由についても未だ解明されていません。
一説によるとシマトネリコの樹液の栄養価が低いために、カブトムシが満腹になるまで時間がかかるそうです。
カブトムシが集まる木「シマトネリコ」を自宅の庭に!

夜行性のカブトムシを捕まえるにはやはり夜中に採取しに行くのが効果的です。
しかし夜中に外出をするのは気が引けますよね。子どもも一緒だとなおさらです。
自宅の庭にカブトムシの集まる木、シマトネリコがあれば子どもは楽しいし親も安心です。
しかもシマトネリコであればカブトムシは昼だって活動しているというじゃないですか。
おっと、ちょっと待ってください。
シマトネリコを庭で育てるまえにこれだけは知っておきましょう。
シマトネリコの特徴
シマトネリコは管理しやすい庭木として定着していますがいくつか注意しておきたい特徴もあります。
成長がとにかく早い
シマトネリコを植え付けるときはある程度広い場所の確保が必要です。
シマトネリコの成長力の強さと早さは筋金入り。
放任すれば樹高5mを超えるのに年数はさほどかかりません。
樹高だけではなく根が太くなることも想定しておきましょう。
浅い場所で太い根を張り巡らせるので配管類を破損させる可能性も。
https://twitter.com/igarasigarden/status/1221766630033612800?s=20
シマトネリコは冬の時期に半分以上の葉を落としてしまうこともあります。 比較的暑い地域で自生する木なので、関東以北での地植えは他の地域より手がかかります。 ※シマトネリコは生命力が強いため、寒さに弱くとも木全体が枯れることはまれです。 大事にケアをすれば冬越えも可能です。 虫がつきにくいとされているシマトネリコですが、植栽する環境によっては害虫による被害がでることもあります。 鉢植えのシマトネリコにてんとう虫っぽい虫がいる? — mamiso (@mamiso17) June 25, 2020 (夏に被害を受けるケースが多いので梅雨が明けるころに対策するのがおすすめ) シマトネリコを庭で育てるための注意事項とその対策をご紹介しました。 あとはカブトムシが集まってくるのを待つだけと言いたいところですが… 実は呼び寄せたいカブトムシ自体がシマトネリコを傷つけてしまうので注意が必要です。 カブトムシはシマトネリコの樹皮を削って樹液を吸います。 樹皮が削られ内部が露出した状態のシマトネリコは病気にかかりやすくなったり、小さな苗木だと最悪枯れてしまうこともあります。 カブトムシが集まる木だからこその被害です。この点を留意してカブトムシと上手につきあっていきましょう。 今年もつくばの自宅にやってきたカブトムシ(オス)が庭のシマトネリコの木の樹皮を削って樹液を吸っている様子.手前に見える”溝”はすでにカブトムシが樹皮を削った跡. pic.twitter.com/njOaKQ02pq — Makoto OTSUBO (@FaultMAN) August 16, 2020 いかがでしたでしょうか。 雑木林から餌となるクヌギやコナラが減少し住宅街に進出してきたカブトムシと、人の手によって庭木や街路樹に進出してきたシマトネリコ。 そんなカブトムシとシマトネリコが出会ってまだ数年、今後どのように変化していくのかは未知数です。 自宅の庭で子どもと虫捕りができるのはうれしいですが、個人的にはシマトネリコの花が好きなので両者が共存していける未来になることを願います。 虫捕りも楽しいですが、この夏は子どもとキャンプをするのもおススメです。 これからキャンプを始めたいと思っている方にも是非みてもらいたい記事です。
寒さに弱い
虫がつくこともある
でもすごく小さいな…と思っていたら
やっぱりてんとう虫ではなく樹木の葉を食べつくす
ヘリグロテントウノミハムシという虫だった!
オーマイガーッ!! pic.twitter.com/6t1AR7ISSZ
カブトムシはシマトネリコにとっては害虫である
カブトムシの集まる木が庭に?!シマトネリコに大量発生でうれしい悲鳴|まとめ