寝る前のお酒にメリットあらず!危険な飲み方があなたの健康を脅かす

どうしても寝付けない夜ってありませんか?

特に最近は、コロナ禍でストレスが溜まって不眠に悩む人が増えています。

そんな日は、手っ取り早く、寝る前にお酒を飲むという人も多いのではないでしょうか。

私の知人も「睡眠薬の代わりに寝る前のお酒は欠かせない」と言っていました。会社のストレスで眠れない毎日を送っているのだとか。

今はお酒のおかげで眠れているようですが、いつも顔色が悪く心配です。よく眠れているのになぜ知人は体調が悪そうなのか。

それは、寝る前のお酒が体に悪影響を与えているからです。今回は、寝る前のお酒がいかに危険なのかをご紹介します。

これからも健康でいるために知っておきましょう。



寝る前のお酒で睡眠の質が下がる

お酒を飲んだ次の日、目が覚めても「全然寝た気がしない」と感じたことはありませんか?

それはお酒を飲むと眠りが浅くなってしまうからです。確かに、深酒した次の日の仕事はミスが目立ちます。

私が未熟なのだとばかり思っていましたが、眠りが浅くて脳が休めていないからだったんですね。

なるほど、ミスを「寝る前のお酒」のせいにできる、というメリットはありました。

が、こんな言い訳をしたら上司は怒り狂うでしょう。

眠りが浅くなる原因

眠りが浅くなる原因は、血中のアルコール濃度にあります。

アルコールの血中濃度が高くなると、鎮静作用で一時的に眠くなり、アルコールが分解されると、鎮静作用が急に抜け、目覚めやすくなるのです。

眠りが浅いと、睡眠の質が悪くなるため、いくら長時間寝ても寝た気がしません。

お酒で早く寝つけることは事実なので、メリットのように感じるかもしれませんが、眠りが浅くては意味がありません。

 

寝る前のお酒が睡眠を妨げる

寝る前のお酒を楽しんで眠りについた夜は何度もトイレで起きてしまいます

我が家でも、主人が夜中に寝室とトイレを行ったり来たりしています。

日頃会話の少ない夫婦であれば、旦那さんに「あれ、どうした?トイレ?」なんていう話ができ、会話のきっかけ作りになるというメリットはありますが、逆に「寝ていたのにトイレに行く音で起こされた」となり喧嘩に発展する確率の方が大きいでしょう。

いずれにせよ、睡眠が妨げられるのはあまり楽しいものではありません。

トイレが近くなる原因

お酒には、抗利尿ホルモン(尿を出さないようにして、身体の中の水分量を一定に保つホルモン)を抑える働きがあり、この利尿作用により持続的な睡眠がとれなくなるのです。

睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があることは周知の事実だと思いますが、睡眠がとぎれとぎれだとこれを乱すことになり、身体によくない影響をもたらします。

日中に頭がぼーっとしたり、睡眠リズムが狂うことで、眠りにつきたいときに余計眠れなくなるという、追い打ちをかけられ、まさに悪循環です。

寝る前のお酒は、危険な飲み方なのだと認識しましょう。

 



寝る前のお酒はアルツハイマーを引き起こす

私の祖父はアルコール中毒でした。

当時は「認知症」という言葉は今ほど浸透していない時代でしたが、今考えるとすこしその兆しがあったのかなと思います。

すごく優しい祖父が大好きでしたが、たまに言っていることが理解できず、ただ「おじいちゃん、同じ話を何度もしているなー」と子どもながらに思っていました。

大量にお酒を飲むと、脳が小さくなるという話は聞いたことがあったのですが、それが認知症を促す要因なのでしょうか。

認知症になる原因

厚生労働省の健康情報サイトには下記にように記載がありました。

アルコールと認知症
以前から大量に飲酒する人には脳が小さくなる脳萎縮が高い割合でみられることは知られていましたが、最近の調査によれば、飲酒量と脳萎縮の程度には正の相関が見られることが報告されています。すなわち飲酒量が増えるほど脳が萎縮するということです。一方で飲酒による脳萎縮は断酒することによって改善することも知られています。萎縮以外の影響としては、アルコールが加齢による記憶・学習低下を促進することが動物実験では証明されています

施設に入所している認知症の高齢者の29%は大量飲酒が原因の認知症と考えられたという調査結果があります。また別の調査では、過去に5年間以上のアルコール乱用または大量飲酒の経験のある高齢男性では、そのような経験のない男性と比べて認知症の危険性が4.6倍、うつ病の危険性が3.7倍と報告されています。このように大量の飲酒は、認知症の危険性を高めることが示されています。

引用元:厚生労働省

飲酒量が増えるほど脳が萎縮され、認知機能が低下し、認知症になる可能性が上がるということです。

さらに、睡眠時間と認知症にも深い関係があることが近年の研究でわかってきました。

寝る前のお酒で、正しい睡眠時間を確保できないことによって、さらに認知症にかかるリスクが大きくなるのです。

ひつじ
寝る前のお酒と睡眠時間が人の健康をこんなに脅かすものだったなんて!僕を100まで数えたらよく寝れるかも?!

 

寝る前にどうしてもお酒が飲みたいときは

寝る前のお酒が原因で、さらに寝付けなくなってしまったり、認知機能が衰えたりと、自身の健康を脅かす危険な飲み方であることはもうお分かりいただけたかと思います。

しかし、それでも飲みたいときはあります。では、そんな時はどうしたらいいのでしょうか。

寝る時にアルコール度数が下がっていればいいのです。

完全に断酒するのではなく、飲み方を工夫して良質な睡眠をとることが重要です。

飲む量と摂取時間を調整する

アルコールの血中濃度のピークは30分~2時間後に現れます。

私も、調子よく日本酒を飲んでいて「今日は酔わないなー」なんて思った矢先にばたんと寝てしまったことがあります。

また、あくまで目安ですが、ビール中ビン1本のお酒が、体内で分解されるのには、男性で2.2時間、女性で3時間かかるといわれています。

つまり、女性の場合は就寝の3時間前ビールを1本嗜む程度であれば、寝る時にはアルコールが分解され、質の良い睡眠がとれるということです。

しかし、アルコールの分解能力にはびっくりするくらい個人差がありますので、自分の身体と相談して試してみてくださいね。

チェイサーを挟む

お酒の弱い私は、水割り焼酎にさらにプラスでお水(チェイサー)を飲みます。チェイサーを挟むことで体内のアルコール濃度が下がり、酔いにくくなります

例えば、私たちが備えている『アルコール分解力』を社員A、『アルコール』を仕事とします。

上司が、大量の仕事を社員Aに託して「今日中にこの仕事を完成させて」と言います。

抱えきれない仕事を任された社員Aは、膨大な処理量に焦ってパンクしてしまいますよね。

上司が、社員Aの処理できる量を把握し、少しずつ渡していけば、社員Aも本当の力を発揮して、仕事ができるというものです。

そんなできる上司になったような気分で、チェイサーを挟みながらお酒を楽しみましょう。

食事と一緒に飲酒する

夏はキンキンに冷えたビールを一気に飲み干したくなりますよね。

しかし、空腹時に大量にお酒を飲む行為は、健康を脅かす行為なのです。

空っぽの胃にお酒を入れると、アルコールの吸収が早くなり、急激に血液中のアルコール濃度が上がり、急性アルコール中毒になる場合もあるのです。

一方食事とアルコールを一緒にとると、アルコールの吸収がゆっくりになり、血中濃度もゆるやかにあがります。

また、胃の中の食べ物が粘膜の上に層を作り、胃を荒らすことも少なくなります。

さらに言えば、おなかが満たされることにより、飲む量を減らす効果もあります。

寝る前のお酒は、ご飯やおつまみを食べながら楽しみましょう。

植物性食品や脂肪分の含まれるチーズと一緒に食べる

先ほど紹介したように、食事と一緒に飲酒をすることは、健康的なお酒の飲み方といえます。

では、お酒と相性の良い、より好ましい食べ物はあるのでしょうか?

ビタミンが豊富な野菜

アルコールの分解は肝臓で行われます。肝臓の負担を減らすビタミンを積極的に取りましょう。

  • おつまみの定番『枝豆』

枝豆は、大豆の未成熟の子実ですが、大豆には一切含まれていないビタミンCが豊富です。

ビタミンCは、アルコールの分解を助け、悪酔い、二日酔いを防ぐ作用があります。

  • 脇役になりがち『ほうれん草』

ビタミンAが豊富なほうれん草を食べることで、肝機能を復活させます。

ビタミンAは肝臓にたまる活性酸素を抑える働きを持つので、肝機能を向上させ、アルコール分解力を高めてくれます

ほうれん草のごま和えはおすすめのおつまみの一品です。

引用元:YouTube

タウリンを含むもの

  • コロナが収束したら行きたい『牡蠣』小屋

牡蠣やハマグリにはタウリンが豊富に含まれています。

タウリンは肝臓内の胆汁の分泌を盛んにし、肝細胞の再生を促す効果があります。

いつになったらみんなで楽しく牡蠣小屋に行けるようになるのでしょうか。

たんぱく質の豊富な食べ物

  • お手軽で主婦にはうれしい『お豆腐』

豆腐には、良質な植物性たんぱく質が含まれており、肝臓のアルコール分解能力を高めるのに非常に有効です。

また、お豆腐の付け合わせの香味野菜である、ネギ、しょうが、ミョウガ、大葉などもアリシンと呼ばれる成分が、ビタミンB1の吸収を高め、さらに肝臓を元気にしてくれます。

加熱処理なしで食べれる主婦の味方です。お豆腐、ありがとうございます。

果物

  • 搾りたてはテンションが上がる『グレープフルーツジュース』

果物に含まれる果糖にはアルコール分解酵素を助ける効果があります。いちごやキウイなどもおすすめです。また、枝豆と同じようにこれらにはビタミンCも含まれています。

お酒を飲んだ後にグレープフルーツジュースを飲んだらすっきりしそうですね。

 



お酒の代わりの睡眠導入法

そもそも寝る前のお酒は、「眠るために飲んでいる」という方が多いと思います。容易に眠れるのであればお酒は不要ですよね。

そんな方のために、お酒以外の睡眠導入法ご紹介します。

米軍式睡眠法

個人的にはいちおしの睡眠方法です。

1981年に出版された『Relax and Win(リラックスして勝利する): Championship Performance 著者:Lloyd Bud Winter 』という書籍に書かれている、2分で睡眠できる方法です。

手順

  1. ベッドに横たわり、舌、顎、目の周りなどを意識し、顔の筋肉をリラックスさせる。
  2. 肩の力を抜き、その後片腕ずつ、上腕、前腕と順番に力を抜いていく。
  3. 息を吐き、胸をリラックスさせ、続いて足の力も抜いていく。
  4. 10秒かけて頭の中をできるだけ空っぽにし、以下の3つの中から1つイメージする。
  • 穏やかな湖に浮かぶ小舟で横になる自分の姿。視界には澄み切った青空が広がっている。
  • 真っ暗な部屋の中で黒いベルベットのハンモックに横たわっている自分の姿。
  • 10秒間「何も考えない、何も考えない、何も考えない……」と自分に言い聞かせる。

米軍のパイロットが睡眠不足により事故を犯さないようにと、どんな状況でも眠るために開発された睡眠導入法です。

ちなみに、私は湖に浮かぶ小舟の上で横になっているイメージをチョイスしました。夏の早朝、鳥のさえずりを聞きながら~などと想像していたら、いつの間にか寝ていました。

ぜひ、お試しください。

アリス式睡眠法

次にご紹介するのは、SNSで話題になった睡眠導入法です。

引用元:Twitter

私自身、今までこれと同じようなことを無意識にやっていました。あぐらはかかず最初から横になった状態ですが、これで寝ることができています。

最長3時間で(笑)。もしかしたら、あぐらで始めるのが重要なのかもしれません。

30万人の「いいね」がついた睡眠法、一度は試してみる価値ありだと思います。

お手軽冷えピタ貼り睡眠法

最後は、より簡単にできる睡眠法のご紹介です。

文字通り、冷却ジェルシート(冷えピタ)をおでこに貼って寝るという方法です。

人は体温が下がることでスムーズに眠れるようになるそうなので、この方法も効果がありそうです。

私の場合、寝る時は1歳の子どもが一緒のため、冷えピタを剥がす遊びが始まってしまい、寝るどころではありませんでした。

 

 適量のお酒にメリットあり!

 

これまで、寝る前のお酒に対し、散々恐怖を煽ってきましたが、飲酒自体にはメリットもあるのです。

お酒には「リラックス効果」があり、適量であればストレスの軽減につながります。

アルコールによって理性を司る脳の働きが鈍くなり、本能的な部分をコントロールする脳の動きが活発になります。

それにより、精神が高揚し、元気が出てきます。

また日本酒の場合、肌を整える「コウジ酸」と血行促進を促す「アデノシン」という成分が含まれているので、女性にはうってつけのお酒です。

私の場合、日本酒を飲んだ翌朝の肌が、目にとってわかるほど調子がいいです。

 

寝る前のお酒にメリットあらず!危険な飲み方があなたの健康を脅かす|まとめ

いかがでしたでしょうか。

新型コロナの影響でお家時間が増え、家でお酒を飲む機会も多くなったことと思います。

家だとついつい寝る直前までお酒を飲んでしまいがちですが、それでは自分の健康を脅かすだけでメリットはありません。

自分の体質にあった適量・時間帯で楽しく健康的にお酒を飲みましょう。

これを機に飲酒に限らず、寝る前の食事の時間も見直してみてはどうでしょう。

健康は資本、さぁ、一緒に健康ライフを始めましょう。

記事を取得できませんでした。記事IDをご確認ください。

みんなでシェア!