
コロナワクチン接種が始まりましたね。高齢者のところにはすでに予診票が届いて、予約を取れるようになっています。
さらにかかりつけ医でも接種加能となり、安心してワクチンが受けられる体制が整ってきています。
しかし日本のコロナワクチン接種は、他国と比べるとまだまだ遅れています。
実際、最近の報告では人口に対しての摂取率を見ると、
- アメリカ 約30%
- イギリス 約40%
- 日本 約5%
※2021年5月24日現在
引用:Our World in Dataより
というのが現状です。
ワクチン接種を控えた多くの私たちは、このコロナワクチンの正しい情報を知る時にきているのではないでしょうか。
とても大切な点として、コロナワクチンと従来型のインフルエンザワクチンとには、大きな違いがあるのをご存知でしょうか。
ざっくり言ってその違いとは、
従来のインフルエンザワクチンは、細菌やウイルスの毒性を弱めたものを原材料にしているのに対し、新型ワクチンはウイルス抗原という設計図を体内に取り込み、抗体を作っていきます。開発年月にも大きな違いがあり、臨床実験も完了していないのが新型ワクチンです。
この違いは、何を意味するのでしょうか。
今回は、この点についての大切な情報をご紹介しますので是非是非、本記事を参考にしてみてください。
目次
ワクチンの製造過程と時間の長さ
私たちになじみのあるインフルエンザワクチンの開発には、いくつもの段階があり時間がかかります。しかしその過程があって、安全性や効果がわかるようになり、安心して私たちのもとに届くのです。
では、その開発段階と時間のかかり方について調べてみましょう。大きく6つの工程があります。
- 探索段階
- 臨床前段階
- 臨床実験
- 承認
- 製造
- 品質管理
そして各プロセスの内容は以下の通りです。
1、探索段階(2~3年)
ウィルスそのものや、細菌の毒素を原料としてワクチンとなり得る物質(抗原)を探し、それを決めていく段階。
2、臨床前段階(3~5年)
この菌を培養したり、動物の体内にウィルスを接種して増やしていきます。また、遺伝子組み換え法という手法もありまして、この段階で人への応用ができるかを決定します。
3、臨床実験(3~7年)
いよいよここでは、人への投与が始まりますが、ここでもステータスが3段階に分かれています。
4、承認
厳しい臨床実験を繰り返した結果を審議し、製造していいものなのかを判断します。
5、製造
よく熟慮した結果、認められた製品を製造会社がつくっていきます。
6、品質管理
つくったワクチンを発売した後も、使用者のデータを集め続けます。重篤な副作用がみられたり、効果がみられないなどの報告があまりにも多い場合は、承認を見直されることがあります。
このような過程があり、ワクチン開発には膨大な調査がなされて時間がかかるのです。
ところが、今回問題にしているコロナワクチンは、臨床実験が完了されたものではないのです。
臨床実験段階でのステップ3に該当する、『大規模実験』が終わる前に生産されてしまっているのです。
ということは、安全性や効果性副作用の情報が乏しいのです。この点は、また後ほどお話しするとして、次に従来型の特徴についてご説明したいと思います。
インフルエンザワクチンの種類と特徴とは

インフルエンザワクチンには、大きく3つに分類することができます。
- 生ワクチン
- 不活化ワクチン
- トキソイド
1つずつ、特徴を挙げてみます。
生ワクチン
前の見出しでも話しましたが、ワクチン候補になる菌を決めたら、その菌を培養します。生ワクチンはその菌の毒性を弱らせ、病原性をなくしたものをワクチンとして使います。
毒性が弱いウィルスや細菌をワクチンとして接種すると体内で抗体が増え、免疫を高めていきます。少ない接種回数で済み、1ヶ月程かけて十分な免疫がつくられます。
このワクチンで防げる病気…結核、はしか、おたふくかぜ、水ぼうそうなど

引用:ワクチンネット
不活化ワクチン
こちらは、上記のワクチン候補となるウィルスや細菌の能力を完全に失くしたものを原材料として使います。
生ワクチンや自然に細菌に感染してしまった時と比べるとパワーの弱い免疫がつくられますので、何回かの接種が必要になります。
このワクチンで防げる病気…B型肝炎、百日咳、狂犬病、インフルエンザワクチン、日本脳炎など
引用:ワクチンネット
トキソイド
細菌が出す毒素をだけを取り出し、毒性をなくしてワクチンとして用います。不活化ワクチンと同様に、何回かに分けて接種する必要があり、ワクチンの種類によって接種回数が異なります。
このワクチンで防げる病気…ジフテリア、はしょうふうなど
因みに、これらのワクチンに限ったことではないですが、副作用がでることがあります。
その症状には、注射したところや筋肉、関節などの痛み、発熱、頭痛、嘔吐などがあげられ、稀にアナフィラキシーというアレルギー反応を起こすこともあります。
従来型ワクチンについて説明してきましたが、次に、新型ワクチンはどのように異なるのかという点についてお話していきます。
斬新なコロナワクチンとは

コロナワクチン開発プロジェクトチームの去年の夏ごろの報告によると、コロナウィルスはウィルス量が少ないため体内で抗体ができにくいなどの理由でワクチン開発は難航している。と言っていたのにそれから1年も経たない現在、摂取できるようになったのです。
驚異的な速さで開発され、生産されているコロナワクチンは、遺伝子ワクチンと言われています。これからその特徴をご紹介します。
最大の違いである遺伝子ワクチンのはたらき方
従来型のワクチン3種と異なりこのワクチンには、コロナウィルスの設計図ともいうべき情報(遺伝子)が納められています。遺伝子ワクチンという名前が付けられているのも、うなずけます。
この設計図には、コロナウィルスの表面についている突起物(スパイクたんぱく質)をコピーしてつくるというデータが入っているので、体内ではこれが形成され抗体をつくり出すのです。

引用:freepik
ここが従来型のワクチンと大きく異なる点です。今までだと抗原を大量に培養して、体内に接種していたために、設備や時間が必要でした。
しかもウィルスを培養するのは難しく、大量につくることができないという問題点がありましたが、それをクリアしたのが、新型ワクチンです。
設計図をもとに、作られたスパイクタンパク質が抗体となって私たちの身体は、外からのコロナウィルスを攻撃できる力をつけます。
こうした免疫力高め方をする、画期的なワクチンなのですが、最前から言っているように、臨床試験が終わらないうちに生産されたもの。いわば、実戦経験がなく戦地に送られた兵士のようなものなのです。
このコロナワクチンの、ある程度の有効的な効果や副作用、アナフィラキシーのリスクは実証されています。しかし、今後どのような副作用や効き目が出てくるかは、まだわからず未知の段階です。
短い開発期間で、従来型のワクチンとは全く異なる方法でつくられた未知な情報があるコロナワクチンについて、不安だという意見はごもっともだと思います。
インフルエンザとコロナワクチンの違いとは?それを知るのは今でしょ|まとめ

今回は、インフルエンザとコロナワクチンの違いについて、そして違いを知ることは大切だということについてお話ししてきました。
コロナワクチンを兵士に例えましたが、従来型のワクチンを侍に例えると、この度参入した新参者の兵士は、高い戦闘能力だと話には聞いています。練習試合でも高い成績を残していますが、戦地で戦ったことのない兵士なのです。
ある程度の敵は倒せるけどその他の情報が未知数ということです。
他の隊員とうまくやっていけるかなどというのは、やってみないとわからないという状況です。それに対して、さんざん戦ってきた侍は戦術は旧式ですが、多くの功績を戦地で残しています。仲間とも仲良くやっていける奴です。

引用:freepik
今のインフルエンザとコロナワクチンは、いわばこの兵士の例え話のようです。どちらの兵士もとてもいい特質をもっていて、受け入れるか否かは自分自身にかかっているというわけです。
ワクチンについて、私は知らないことも多かったため、とても勉強になりました。コロナ禍において、公平で正しい情報に耳を傾けることがとても大切だと改めて感じました。
集団免疫をつくるため、国はワクチン接種を推奨していますが、個人の判断に任せられていますね。
そんな中、今回の情報を知ることで、コロナワクチン接種を受ける人と受けない人が出てきた時に、両者の考えを受けとめることができるかもしれないなと思いました。
あなたは、いかがですか。
このブログでは、お役立ち情報を随時発信しています。一例として2つご紹介します。是非ご覧ください。
100人程の小規模な実験で、主に安全性の確認を目的として行われます。重大な副作用が出ないかどうか、安全な投与できる量はどのくらいか確認していきます。
ステップ2
数百人に規模を増やして実験が行われますが、この段階も安全を確認するためのものと、投与した後の免疫機能の反応をみていきます。
ステップ3
この段階は、数千人以上の大規模実験です。
安全性だけでなく、接種した人としていない人とに偽薬を使って比べながら、ワクチンの効果性を調べていきます。