
1 新コロナウイルスはなぜ発生したのか?
連日ニュースに取り上げられている「新コロナウイルス」
その対策として、マスクやアルコールを常時している人も多いでしょう。すでに、品薄状態だとか。そもそも新コロナウイルスとはなんなのか、原因はいったいなんなのか、なぜここまでに拡大してしまったのか調べてみました。
2019年の12月暮れに中国保健機関が病原体が不明の肺炎患者が複数報告されていました。翌年の1月7日「新種のコロナウイルス」だと判明し、2月10日現在で中国では約28000人の感染者が確認、そのうち死者は800人を超えています。これはSARSを上回る感染スピードです。
発生原因ですが、これはまだ解明されていません。中国の市場の関係者から複数の感染者が確認されていることから、野生生物からの感染の可能性が高いと考えられています。
新コロナウイルスは今までのコロナウイルスとは遺伝子構造が全く異なるウイルスで、そのウイルスの表面にある突起が王冠に似ていることから、ギリシャ語でクラウンを意味する「コロナ」と名付けられました。
コロナウイルスは、これまでに6種類確認されています。そのうち4種類は風邪の10%から15%を占め、重症化することはほとんどありません。残りの2種類は「重症急性呼吸器症候群(通称、SARS)」、呼ばれるものと「中東呼吸器症候群(通称、MERS)」があります。
SARSは8000人以上の感染者のうち、755人が重症の肺炎で死亡しました。致死率は9.6%。MERAは、2019年11月の時点で約2500人の感染者のうち、858人が死亡。致死率は34.4%です。死亡した多くの患者は、高齢者であったり、基礎疾患(糖尿病や慢性的な心、肺、腎臓疾患など)を患っていたことが分かっています。
よって、新コロナウイルスの感染者も、基礎疾患を患っている人や高齢者の死亡例が多いと考えられます。また、子供は感染しないか、感染したとしても症状が出ることはほとんどないという結果も出ています。また、ウイルスは物体に付着したまま数時間は生きるとされており、こまめな消毒が必要です。
今回の新コロナウイルスは、スーパー・スプレッダーの存在もあり、感染は日に日に拡大していきます。すでに国内での感染者も確認され、国内流行するのも時間の問題といえるでしょう。
2 スーパー・スプレッダーの存在
今回の新コロナウイルスの感染がここまで広がってしまったのは、「スーパー・スプレッダー」の存在が原因であると考えられています。新コロナウイルスの感染者がほかの人に感染させてしまう人数が通常よりも多い(10人以上に感染させることを定義とされている)場合、その人を「スーパー・スプレッダー」と呼びます。
SARSやMERSの感染が拡大したときにも「スーパー・スプレッダー」の存在が確認されています。どのような人が、「スーパー・スプレッダー」になりやすいのかは、いまだに解明されていませんが、病院内での適切な感染対策が施されている場合は「スーパー・スプレッダー」は出現しにくいと考えられています。
この、「スーパー・スプレッダー」の存在が、感染を広げたと同時に、これからの新コロナウイルスの感染症予測を困難なものにしています。
3 正式名称はいまだ確定されていない
流行しているウイルスを区別するために、ウイルスには名前が必要ですが、いまだに新コロナウイルスの名前は決まっていません。現在、研究者が懸命に命名に取り組んでいます。
では、名前はどのように決まるのか?
世界保健機関は、新コロナウイルスの暫定的な名前として、「2019-nCoV」を推奨しているが、現在それほど広まってはいない。この名称は、メディアや一般市民には使いにくいため、広まってはいないと考えられる。
正式名称を決めるうえで世界保健機関が発表したガイドラインにとると、地理的な位置や人の名前、特定の文化などを名前に含んではいけないという。これには理由がある。
2009年に流行した、H1N1型インフルエンザは「豚インフルエンザ」と呼ばれた。これは本来、豚ではなく人から人へ感染するものだったが、この名前のせいでエジプト政府は飼育している豚をすべて処分してしまった。
名称がないと間違った呼び名が広まってしまい、抑制するのが難しい。そのため、正式名称を決めるのは緊急課題となっていて、国際ウイルス分類委員会が取り組んでいる。
感染拡大の一途をたどる新コロナウイルスはどれほどの感染者を出せば終息に向かうのだろうか。
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