開催が現実味を帯びてきた東京オリンピック。
コロナウイルスが流行するなかでの開催となるので、安全対策の内容やその方法、今までのオリンピックの違いなども気になるところですよね。
毎回オリンピック開催前にスタートする聖火リレーですが、聖火リレーをやる理由や起源を皆さまはご存知でしょうか?
調べてみたので、ご紹介していきたいと思います。
目次
オリンピックで聖火リレーをやる理由
オリンピックといえば、主要競技場でともされる火のイメージがありますよね。
はじめに聖火リレーを行ったのは1936年ベルリンオリンピック
オリンピック史上、一番はじめに聖火リレーが行われたのは1936年のドイツで開催されたベルリンオリンピックだといわれています。

当時のドイツ労働者党政権、アドルフ・ヒトラーの、
”ゲルマン民族こそがヨーロッパ文明の源流たるギリシャの後継者である”
参照元:ホロコースト百科事典
という差別的ともとれる思想に沿ったもので、政権の権威性を高めるためにスポーツ科学者のカール・ディームによって発案されたという悲しい歴史を持つ聖火リレー。
ドイツは聖火リレーを使って侵略するルートを確認し、その3年後にルートを逆走するかたちでヨーロッパの国々に攻め入り、第二次世界大戦が世界各地へ拡大していきました。
政治と戦争とオリンピックは、切っても切り離せない関係がここで始まったともいえます。
聖火リレーをやる理由がこんな背景を持っていたことに驚きました。
【「聖火」「聖火リレー」って日本語の呼称がうさんくさいから調べてみた】
英語やフランス語などでは基本的にそんな言い方は滅多にしない。そもそもOlympic flame(オリンピックの炎)もあまり言わないし、最も一般的な言い方はtorch relayで、「聖火リレー」とは程遠い。1/10— 中野晃一 Koichi Nakano (@knakano1970) March 28, 2021
BBCが聖火リレー(ナチス儀典)を報じている。
Point of No Returnを超えたとヘイズ特派員の指摘。
15時台でも第一走者の出発も映像無し。BBCより pic.twitter.com/mmQoLJkOvQ
— Hiroshi Makita Ph.D. (@BB45_Colorado) March 25, 2021
そもそも聖火をやる理由とは?生まれた背景

聖火の歴史からひも解いていきましょう!
聖火とは文字通りの聖なる炎
聖火は古代オリンピック発祥の地、ギリシャのオリンピア遺跡にあるヘラ神殿で、太陽光を利用して起こされる炎をさします。
その方法は、地球上で一番美しいエネルギーと考えられている太陽光線を凹面鏡(おうめんきょう)一点に集中させ、たいまつに火をともします。
たいまつとは、近年ではトーチとも呼ばれますね。
この儀式の面白い点は、
- オリンピックの開会式が行われる数か月前に採火される
- 炉の女神ヘスティアをまつる巫女だけがトーチに火をともすことができる
- 儀式の本番は完全非公開
- 男子禁制
という紀元前からの伝統をずっと同じ方法でやり続けているそうです。
TVで観られる採火のシーンは実はTV向けの公開リハーサルというのも驚きです。
女神・ヘスティアが宿る聖火
古代ギリシャの人々にとって火はとても重要なもので、各家庭で一年中火を焚いておく炉があったそうです。
炉…日本でいうところの囲炉裏(いろり)。
その炉に、ギリシャ神話に出てくる女神・ヘスティアが宿っていると考えられ、火を絶えず焚いておく=女神の加護を受ける神聖なものと位置づけられていました。

家だけにとどまらず神殿や市庁舎などでも炉があり、絶えず火が焚かれていたというのだから驚きですよね。
聖火をリレーする理由
古代ギリシャでは、ランパデドロミアと呼ばれたリレー競争がおこなわれていました。
このレースの走者はたいまつを持って走り、次の走者に渡します。
こうしてチームの最終走者がゴールするまで次々に手渡していきます。
引用元:末日聖徒イエス・キリスト協会
紀元前9世紀ごろの古代オリンピックで行われていた、ランパデドロミアというたいまつ競争。
この記事で最初にご紹介した、ナチスドイツが参考にしたのはこちらのたいまつ競争だといわれています。
最も速くゴールしたチームではなく、たいまつの火が燃えたままゴールしたチームに賞が与えられたというのですから、いかに聖火を重要視していたかがうかがえますね。

そもそもこの競争は、人口の増加にともなって町を新たに造るさいに、神殿や市庁舎にある火を新しく持っていくことが、リレーの始まりとなり、リレーをやる理由なんだそうです。
火を新たな町にともすことで、町と町、人と人とを繋ぐと考えられていました。
- 既に焚かれている火をたいまつに移す
- なるべく早く消さずに持っていく
- 途中で悪漢などに襲われないように運ぶ
ことを踏まえたとき、リレー形式が最適だったそうです。
火は一つでトーチが複数、同じ火を受け渡していくという方式は今の聖火リレーそのもの。
まもなくオリンピックが始まるぞ!という気運を高めるものでもあったそうです。
聖火リレーをやる理由とは?聖なる炎の起源と誕生した背景を徹底解説!|まとめ

聖火リレーが誕生した歴史的な背景と、古代ギリシャにおける聖火についてをご紹介いたしました。
聖火リレーをやる理由は意外な背景だと驚いた方も多いのではないでしょうか?
私はここまで政治的な意味合いを持っているとは知らず、今後の聖火リレーを見る目が変わりそうです。
驚いたといえば、ゲスの極み乙女。の川谷絵音さんが天才と呼ばれている理由を皆さまはご存知でしょうか?
彼が天才と呼ばれる理由についてまとめた記事があるので、ぜひこちらもご覧くださいね。
最近のコメント